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ゆく鷲くる鷲2021~くる鷲編 #FE名古屋
というわけでくる鷲編。
「変革の年」のロスターを担う人材が集まっています。
今回は加入が発表された順に。
#18 相馬卓弥 (佐賀→)
今季佐賀の中心選手として、1試合平均12.2得点4.4アシスト、45%を超える3P成功率を誇った相馬。個人的にオールB2の1stチームに選んだほどの選手がまさか来てくれるとは思っていませんでした。
3Pの確率が示す通り非常に高いシュート力をもちますが、けしてスポットシューターということではなく、ドリブルからのジャンパーなど得点パターンも豊富。のみならず、4.4アシストを供給しつつターンオーバーはわずか2.2と、視野の広さとハンドリングの技術も併せ持った、極めて総合力の高いSGと言えるでしょう。ともに闘えるのが非常に楽しみです。
#0 アンドリュー・ランダル (山形→)
今季は短期契約によって大阪でシーズンをスタートすると、ほどなく山形へ移籍。1試合平均23.7得点はB2得点王の成績となり、山形のプレーオフ進出に大きく貢献しました。
外国籍選手としては上背はありませんが中外バランスよく得点の取れる選手で、なおかつ過去の成績が示す通りパスを出すこともできる総合力の高い選手。また18-19シーズンでは外国籍2人登録のレギュレーションでプレーしていたこともあり、短時間ならPFでの起用にも耐えうるフィジカルの強さも併せ持っています。この得点力をどのようにチーム力に還元するか、首脳陣の使い方が楽しみです。
#21 笹山貴哉 (名古屋D→)
B1の名古屋Dにて長くスタートを務めたPGも、今季はチーム事情でセカンドユニットへ。彼を推すフォロワーさん曰く「ボールを持つ時間が長いほうがリズムがいい」とのことですが、出場時間が短いことも影響したか、前年よりややシューティングの確率が下がったシーズンになりました。それでも他の数字は30分の出場時間に均せば誤差の範囲内。変わらぬクオリティを保っていたと考えられます。
石川と笹山、B1経験のあるPGが並ぶわけですが、それぞれに特徴がある選手たちです。どのように使い分けるのか、勝負所を誰にどう託すのか、序列はどうなるのか。首脳陣も嬉しい悩みを抱えたと言えそうです。
#3 エヴァンスルーク (静岡→)
注目された帰化アジア枠ですが、静岡でプレー、帰化の瞬間を迎えていたエヴァンスルークに白羽の矢が立ちました。日本での在籍歴としてはB2下位~B3が中心ではありますが、昨季短期間プレーした島根でも十分なプレー強度を見せてくれており、この選手が帰化枠で来てくれるなら諸手を挙げて歓迎したい、そういう選手です。
B2開幕当初の彼を思い浮かべても、派手さはないが勤勉で賢い選手、という印象でしたが、各所の評判を見てもその印象は間違っていなかったと思えるもの。下部リーグで力を蓄えた彼がどのようにチームに貢献してくれるのか、楽しみで仕方がありません。
というか、彼がビッグマン守れないとチームとしてヤバいので、伏してお願いします、割と本気で。
#12 野﨑零也 (群馬→)
Prodigal son is back.ルーキーシーズンを過ごしたのち群馬に移籍。2年間を過ごし、B2での優勝を知った「息子」がチームに帰ってきました。在籍当時から体重コントロールに問題を抱えていた印象が強く、群馬においても当初はその印象は変わりませんでしたが、今季は豹変。パワフルさはそのままにしっかりシェイプされた肉体で躍動。ここぞというところで強気に攻め切るプレイスタイルで群馬のB2優勝に貢献したのは記憶に新しいところです。
B1で活躍する姿が見られるのだろうか、とうっすら思っていたところでの帰還は驚きでしたが、ともにB1を目指してくれるというのは大変うれしいもの。プロとして戻ってきた彼が体重を維持して(←ここ重要)大活躍し、B1に導いてくれることを期待しています。
#11 石川海斗 (熊本→)
理不尽大王、名古屋へ降臨。加害者の会設立へ。ということで、決まりだしたら止まらない、そして強烈な勝負強さを持ち、高いアシスト能力を誇るB2ナンバーワンPGも名古屋の地を踏むことになりました。今季B2アシスト王の加入は胸躍ること請け合い。笹山との出番争いもし烈になることでしょう。
今季はハリス在籍時にはボールシェアに苦労していましたが、この経験が活かせるかがカギになってくるかもしれません。これまで各地で被害者を出し続けた大王が、名古屋でも覇権をとるのか、要注目です。
#22 ジェレミー・ジョーンズ (Crailsheim(独1部)→)
他チームも含め、今オフは各チーム1人程度は国内組でない新規外国籍選手のリクルートに動いています。FE名古屋も例外ではなく、今では競合になったゴンザガ大出身、なんと八村のチームメイトだったスモールフォワードを獲得しています。
映像を見る限りでは外からシュートを打ってよし、中に切れ込んでよしの万能選手。機動力もあり守備でも苦労はしなさそうです。25歳と十分に若いことも魅力で、逆に言うと伸びしろもそれだけあるということ。どんな選手であるかは実際のプレーを見てみないとわかりませんが、非常に楽しみな選手ですね。
#41 ブライアン・クウェリ (群馬→)
昨季までの大人しさとはうって変わった積極的な編成で界隈を驚かせたFE名古屋。その編成の当面のラストピースは、群馬でインサイドの主力となり、B2優勝に貢献したたブライアン・クウェリでした。十分な頑強さと機動力、高さを併せ持ち、リバウンドで強烈な強みを発揮するクウェリですが、攻撃面で回りを使うのも上手く、1試合平均で3.4アシストをたたき出し、その上でターンオーバーはわずか1.4。2を越えるアシスト:ターンオーバー比率はA級ポイントガードと比べてもそん色ありません。また、群馬の他の選手の高い守備力も含めて、ということではありますが、27分近いプレイングタイムで平均2個しかしていないファウルも驚異的と言えるでしょう。
インサイドで頑強に仕事をこなせ、なおかつ攻撃の起点にもなれるクウェリはFE名古屋のラストピースとしては理想的な人材と言えます。ただし、高さと頑強さが併せ持つ選手は彼だけ。いかに休ませるかの方が問題になってくるかもしれません。ルークエヴァンスを筆頭とした他のインサイド陣の頑張り、および首脳陣のタイムシェア能力が試されることになりそうです。
全体を通して
今季のロスターで残留したのはわずか4人。FE名古屋は今オフ、これまでにない規模で選手の入れ替えを行いました。推し選手が去り、長くチームを支えたエースが去り、心を痛めている方も多くいると思われます。
ただ、この動きは、B1昇格に向けて、チームが、クラブが変革に本気になって取り組んでいる証左である、と僕は思います。石川海斗の入団コメントに
「メンバーも大きく変わり、変革のフェーズを迎えるチームの一員として」
というフレーズがありました。こんな表現、入団交渉の場でクラブの人間が口説き文句に使わない限り、選手の口から出てくることはないのではないでしょうか。彼のコメントにこの表現があったことで、「今季のFE名古屋は本気で変わる気だ」という手ごたえを得たように思います。そういう意味で、寂しさはあるけれど、クラブの動きは肯定的に見ている自分がいます。
選手を並べてみると、25歳以下の若手が4人、26歳~32歳の中堅層が6人、33歳以上のベテランが2人と年齢層のバランスも良く、選手のサイズという意味ではクウェリ以外はやや小さめとはいえ、選りすぐりの素晴らしいメンバーが揃ったように思います。
次はチーム作りです。個の力をチームの力に。まだまだ試練は続きますが、大きく楽しみが膨らんだ、そんなこの「バスケ年度末」になりました。ではみなさま、良いお年を←
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