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2024-2025 #オラシオンPOG ドラフト5位〜10位プレビュー

前回の記事はこちら。

2024-2025指名馬プレビュー(つづき)

5位 テリオスララ

 今年わずか7頭しかいないシスキン産駒。日本の競馬に合いそうな血をこれでもかと取り入れつつ、早いうちに開花が望めるマイラーという種牡馬は貴重だが、種付け中の事故か何かで今季デビューは限られた頭数。ただそれでも産駒の血統は良く、馬っぷりも良好なようだ。
 新種牡馬枠としてリストアップしていたのだけれど、直前でグロスビークを抑えられてしまったので、この巡目でもう1頭の候補を確保することにした。
 母はGlorious Songを祖に持つ名牝系で自らもセラフィックコール、サンライズアースとOP馬を2頭送り出した。母自身はHaloを3×4で持ちつつ母父マンハッタンカフェがNorthen Dancerを持たないという異系色が強い配合だからか、ヘニーヒューズでセラフィックコール、レイデオロでサンライズアースと全く違う、父の個性をよく反映した馬を出しているように見える。
 となれば、Mr. ProspectorとDanzigを父系に持ち、なおかつ母のHaloを≒のSir Ivor&Droneで強調した形であれば、機動力溢れるマイラーが出てもおかしくないはず。雄大な馬体を見てもその狙いは上手くいってそうで、楽しみな馬だと思う。

6位 ヒアトゥウィンの2022

 今季いままでと違うことを方針として持っていたのが「牡馬のマイル向き血統を指名する」「牡馬でダート中距離路線に行ける馬を指名する」だった。このうちダート路線は複数とるつもりだったしどのみち他の参加者も早く指名しては来ないだろうから、この辺りでは牡馬のスピード馬を、という流れ。その中でこの6位から7位でリストに挙げていたのがこのヒアトゥウィン2022とリバーバレイト、ファーニスクリークだったんだけど、キタサンブラックも今年の売れ行きならどっちかは余ってくるだろう、と判断して先にこの仔を指名。
 ロードカナロアは自身が結構濃いめのNorthern Dancerのクロスを持っていることからいわゆる「3/4ND、1/4異系」という形が成功しやすく、アーモンドアイやダノンスコーピオンを筆頭に収得賞金上位の半数以上がこの構造になっている。ヒアトゥウィンの父Roi NormandもまったくNorthern Dancerをもっておらず、その母Ascot BelleはLyphardとNijinskyでNorthern Dancerのクロスを持っているので、綺麗に条件を満たした形。
 というところで、写真を見ても形もいいしこれで良いかと抑えたのだけど、改めて調べてみるとRoi Normandはアメリカの芝中距離で走った馬だし、Falcon Jetも欧州の芝中距離血統だし、姉のサトノワルキューレも中距離馬だったし、これ思ったより短距離志向じゃないな?と気づいてしまった。まあロードカナロアの仔でマイルが走れないということはないと思うのでいいんだけど。とりあえず早く馬名を入れて安心させてほしい←

7位 ファーニスクリーク

 上で書いた通り6位から7位までは間が空くので、ここでリスト最優先の2頭が消えるとちょっと困ることになりそうではあった。結果としてリバーバレイトはなかのさんに指名されて残ったファーニスクリークを指名できたので読み通りではあったのだけれど。
 キタサンブラックは初年度にイクイノックス、2年目でソールオリエンスを輩出してブレイク。谷間の3年目については頭数も減っていたし流石に厳しかったか、重賞馬は輩出できず、2勝馬を4頭送り出すにとどまったものの、おかげで血統的なクセはより見えてきたように思う。
 特に言えるのは「芝で走らせるならHaloはクロスして強調するのが前提」「牝馬より牡馬」「その上でNureyevやDanehillのような欧州マイラー要素を入れる」「トニービンをはじめとした欧州Nasrullah系を斬れを増す要素として入れるとなお良い」という感じなのではないだろうか。
 その意味で行くとファーニスクリークは条件すべてを備えており理想的。X上で見つけた写真を見る限りだとわりと父キタサンブラックが強く出ていてクラシック向きということになりそう。ほかの人のコメント見るとまだまだ体力強化が必要っぽいので、順調に調教を積んで、良い成長曲線を描いてくれれば、といったところだろう。父自身の競走生活、イクイノックスの競走生活、そして血統表から見た印象からしても、秋~年内デビューで力をつけていくほうがそれらしく映る。
 昨季1位指名の兄ファーヴェントは指名順位の期待ほどの結果ではなかったにせよ、最低限の結果は残してくれた。父が替わったこの子はどのような競走生活を歩むだろうか。

8位 Sand Puceの2022

 今季の自分の指名のみならず、オラシオンPOG全体を通して恐らくナンバーワンの問題指名だったと思われる本馬。なぜかって?

A.指名時点で日本に入ってきた形跡が欠片もなかったから

 情報が早いnetkeibaにも登録がなく、主催者である勝汰さんが心配して確認のDMを送ってくれたほど。それを

赤木キャプテン

とばかりに押しとどめ(※誇張あり)指名したのもこちらのブログであるように、森調教師ー藤田晋ラインの購入馬でありそうなことが大きい。わざわざなぜ、と言われれば、「ダートを走れて早め始動が出来る馬は逆転のカードとなりうる」というのが回答になるだろう。なんせケンタッキーダービーは500万$の高額賞金レースとなり、ドバイやサウジにも2~3歳戦で稼げる高額レースが増えた。その恩恵を受けたフォーエバーヤングは今季POG換算でいくと36700Ptを稼ぎ出していたことになるわけで、その可能性を追わない手はない。
 OBSマーチセールでの評価を見ても「まだ奥がありそうで余裕がありそうなのに速い時計が出ている」とのこと。X上で流れてきた写真を見る限り馬体も上々で海外コンサイナーの評価も高い。相馬眼もお墨付きかつ海外遠征も積極的な森師のところなら全く問題なし。問題は日本に入厩してくれるかどうか。

 …とか書いてたらどうやら血統登録はされた模様で、netkeiba、TARGETともに登録が確認できたのでまずは一安心。代替馬を探す苦労は背負わなくて良さそうだ。

9位 トリポリタニア

 さてそんなわけでダート路線の拡充もあり、「ダート馬の血統評価たーのしー!」が可能になったのは間違いないPOGドラフト戦線。もう新種牡馬枠はシスキンで埋めたけど、今年の新種牡馬はダートで光りそうな馬が多いので、せっかくだからそこからピックアップすることにした。流石にここまでくると自分の指名の独自性は認識しているので、誰かに持っていかれる心配はしていない。
 ここで選んだトリポリタニアは父ルヴァンスレーヴ。Robertoクロスを活かしたパワーとキレでダート戦線を席巻した馬。母トリプライトその祖母キャサリーンパーに連なる牝系出身で、近親にダンビュライトやマリアライト、クリソベリルにアロンダイトと、芝ダート問わずパワーとスタミナを発揮する活力の高い系統。この馬は母父ワイルドラッシュと父の影響でダート色が強いとみられるとは思うけど、一方でサンデーサイレンス4×3も抱えている関係で力のいる馬場なら芝も走れてしまう可能性も秘めていると思う。全体的にNorthern Dancerが極めて希薄なのも面白い。
 気鋭の上村厩舎に入厩が決まっているが、評価も高く使い出しも早そう。2歳戦から芝ダート両刀で上手に稼いでくれることを願っている。

10位 ジャナドリア

 本指名としてはラストになる10位。今季はここにも新種牡馬で、とっておきの隠し玉を用意していた。
 父ゴールドドリームは2歳の12月デビューから3連勝でOP入りし、翌年はJRAのダートG1を独占、その後は地方G1級を3勝した名ダート馬。母系が名牝Specialに繋がる超名牝系ながら、三代母Statisticが詰めの甘さで名高いジェイドロバリーと同血という問題点を抱える配合だったところを、四代母Number≒ゴールドアリュールの母父Nureyevの3×4ニアリークロスで解決してしまったという荒業配合であった。この関係性とゴールドドリームの母父フレンチデピュティも含めてかなりNorthen Dancerが濃いのが特徴で、ここを緩めることが出来る配合が良さそうという観点で眺めていると、上がってきたのが母ターシャズスターのこの馬だった。
 ターシャズスターの父Spanish Stepsは米国産で未出走馬だったが、米2歳G1馬勝ちの後名種牡馬となったUnbridled's Songの成功もあり、全弟だったこの馬も種牡馬入り。兄ほどの結果は残せなかったもののBCターフ馬Little Mikeを輩出するなどの結果を残し血の確かさを証明している。Unbridled's Songはスワーヴリチャードの例からも分かる通り牝系に入っていい血であるようで、Spanish Stepsの娘ターシャズスターもHarlan's Holidayとの間にエスメラルディーナを、ドレフォンとの間にコンシリエーレを輩出して気を吐いている。いずれもNorthen Dancer系の芝ダート兼用タイプの種牡馬で、Harlan's HolidayはHaloを、ドレフォンはDeputy Ministerを抱えているところはゴールドドリームと共通。相性はいいと見ている。
 といった血統的背景もさることながら、netkeibaにも上がっている通り馬体も大きくて見栄えのする筋肉の持ち主で、しかもすでに入厩済みでゲート試験も受かったとのこと。早め始動でダート路線を爆走が望めそうなのが実に楽しみ。

オープン指名は追記予定

??

おわりに(これを書く頃には23-24シーズンの結果が出ているでしょう)

さあ、どんな結果になりますかね。

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Nacky a.k.a. 青井高平
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