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闘鷲降臨~相手の構造を叩こう(20-21Game42-43)#FE名古屋

今季初めてGame1負けからのGame2勝ちは収穫といっていいのではないでしょうか。

Game1 FE名古屋 78-95 佐賀

ガルシアに手も足も出ないうちに周りもノせちゃいました、という敗戦。

佐賀というチームの構造で特徴的なのは、ビッグマンに中西という日本人選手を抱え、その分の外国籍選手の枠をレイナルド・ガルシアというPGに割り当てているということ。佐賀の目論見としては、身体能力と頑強さでハンドラーのところで優位に立って攻撃を回すのが狙い。そして、外国籍のビッグマン相手に中西がどれくらいの時間粘れるか、ここが肝になります。

Game1はその目論見がすべて良いほうに転びます。前半こそ悪いなりに粘っていたFE名古屋ですが、3Qの早いタイミングでガルシアが連続で3Pを決めるとガルシアに対して守る距離感に迷いが生じ、結果としてこの後はドライブを許す展開に。後半だけでひとりの選手に23点7アシストも許してはどうにもなりません。

またこの試合についてはこちらのガルシアだけでなく、ガード・フォワードのシュートへの意識の差が大きく感じられました。少しのズレでも割って入ってフィニッシュに向かう佐賀のガード陣に比べると、いかにもこの日のFE名古屋のガード陣のシュートセレクションは安全策が多く、打てるところでも打たずに結果としてフィッツジェラルドにタフなアタックをさせるシーンが目立ちました。前節の後半もそうですが、アタックしても合わせのパスを優先して狙う姿勢がしっかり見切られている、そこが苦戦の源となった敗戦だったように感じました。

Game2 FE名古屋 91-62 佐賀

チーム全体がガルシア〇すマンになった結果停滞しまくった佐賀の攻撃。前日の名古屋もそうだったけど、上手くいかないという気持ちがいかに脚を鈍らせるか、といういい例に。

前日の惨敗を受けて、何かを変えないといけないFE名古屋。首脳陣の出した回答は「ガルシアの外は捨てる」でした。そのうえで、それでも突っ込んでくるガルシアは、杉本や鹿野が地上戦でコースを限定したうえで外国籍選手が高さでカバーする、以前からお馴染みの守備戦術に出ます。ガルシアがボールを持ってアタックする瞬間ものすごく狭く守ることになるため、ある意味ではギャンブルともいえる守り方。これが相手の序盤の外の不調も相まって機能。Game2で何よりも欲しい先手を取ることに成功します。

またこの日はよほどハッパをかけられたのか、ガード陣のシュートも思い切りがよくなります。そういうシュートはえてして入るもの。こうなれば相手は厳しくつかざるを得ず、カウンタードライブでズレを作れば外国籍選手のフィニッシュも楽な形で行えます。

最終的には冷静さを欠いたガルシアを地上戦の周りのヘルプでも潰すことに成功したFE名古屋。佐賀は焦って単発の3Pを放つシーンが増えて得点が停滞。一方のFE名古屋は得点の優位を背景にリングへのアタックでファウルをもらってフリースローを稼ぎ、この日は実に23/27という高確率。組織的な守備で相手の淡白さを引き出したFE名古屋が、苦手のGame2をいい形で制しました。

佐賀の構造を叩き損ねたGame1ときっちり叩いたGame2

前述したとおり外国籍選手の一人をPGにすることでバックコートでの優位を得る代わり、インサイドは中西次第、というのが佐賀の構造。中西は日本人選手としては極めて頑強ですが、インサイドで毎回外国籍選手に勝てるような選手ではありませんし、ケニーローソンもマタもインサイドで起点を作るような選手ではないため、バックコートのところで攻撃が構築できなければ途端に滞るわけです。

そういう意味で、Game1の前半は佐賀の日本人選手、相馬、渋田あたりのアタックがうまくつないでガルシアの目覚めを待つことができた、これが後半の爆発につながったと言えるでしょう。

一方Game1ではいまいち消極的な動きに終始し、最終的にフィッツジェラルドに攻撃の責任を押し付ける形になっていたのがFE名古屋。攻め気がない選手はアタックしても怖くありません。パスを出す前提で守備が受けていれば、大きなズレを作り出すことはできない。そういう形で逆に時間ギリギリのタフショットに追い込まれる形にしてしまったのは敗因と言っていいでしょう。

Game2はそういう意味で、打つべき時にシュートを打ち、ドライブするときにはドライブしてシュートを打ち切り、自分にしっかりひきつけたところでパスを回してズレをつくる、そういう正しい攻撃を、杉本、松山といったガード陣が上手くやっていたこと。これが何よりも収穫といえるのではないでしょうか。

いいパスを出すためにはまず自分が危険な存在でいなければならない。終盤戦に向けて、Game2にこういう闘い方ができたことを自信に変えてほしい、そんな試合でした。

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Nacky a.k.a. 青井高平
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