個展『もう一度生きることをはじめました』終了致しました。
こんにちは、小島葵です。Rocoという名前でも写真活動をしておりますが
ここでは小島葵として綴らせていただきます。
さて、個展『もう一度生きることをはじめました。』が無事閉幕しました。まずはこちらでもお礼を書かせてください。
ご来場いただいた皆様、同時開催していた林美穂、そしてギャラリーの番人(オーナー)八坂様、ありがとうございました。
愛知をはじめとし、東京、大阪、兵庫、茨城、富山、京都、滋賀、三重、静岡、岐阜…おところを伺っただけでも本当に色々な地域から足を運んでいただきました。
お金を、時間を、労力を使って来ていただいたことに感謝が尽きません。
重ね重ねありがとうございました。
↓個展詳細↓
開催日:2017.11.13(月)16:00 ~23(木・祝)21:00
開催地:GalleryBar TORIDE
〒460-0007 愛知県名古屋市中区新栄2丁目8-1
TEL:052-212-7194
月~土 OPEN 16:00-L.O.23:00
日 OPEN 16:00-L.O.21:00
個展を終えた林美穂の言葉はこちらからご覧頂けます
個展のきっかけ
まずは、個展開催に至った経緯を少しだけ。
2017年5月、TORIDEさんで開催されていたカメラ女子展にお邪魔した時に
番人の八坂さんと出会った。
展示を見終えた帰り際に林美穂をチェキで撮影した時の私の目に興味を持っていただいたのだ。
その時の八坂ツイートを引用させていただきます。
『今週も展示を通じて色んな人に出会えたけど、とあるカメラ女子が一番印象に残った。一見ふわーっ&天然っぽいのに話してみると真の強さが垣間見えた。そして彼女がシャッターを切るその瞬間、横から見て目の鋭さにぞくっとした。まさに「射抜くものの目」だった。』
そんな風に思っていただけたことが震えるほど嬉しかったのを覚えている。
当時すっかり子育てモードでふわふわしていた私は写真家としての自分を、
そしてセルフポートレートを撮っていた頃のギラギラしていた私を忘れていたのに八坂さんが見つけ出してくれた。
そんな風に思っていた矢先、声をかけていただいたのだ。
「林美穂と同時開催で個展をここ(TORIDE)で開いてみないか。」
とても悩んだ。子育て中で個展を開くだけの準備ができるか、展示が年の後半にたくさん控えているなど、状況が状況なだけに即答ができなかった。
が、私の中に沈めたものを見出してくれた八坂さんの元で展示がしたい、ここが一つの転機になる、そんな願望と予感が私の背中を押したのだ。
少し長くなりましたがこれが個展開催のきっかけです。
個展の写真は『もう一度生きることをはじめる』ための覚悟だった
今回の個展の写真は全てselfportraitでした。
それは2014年、一度区切りをつけたシリーズ『FEEL MYSELF』。
このシリーズは私が抱えてきていくことができない、けれど捨て置くこともできない感情たちを一度写真にして切り離したものです。
出産を機に私は個としての”小島葵”よりも
母として、妻としての自分を大事に生きることを優先し
自分の根底にある、ヘドロのようにこびりついた消えてしまいたい願望を、
むき出しにしてしまえば他人も自分もめちゃくちゃに傷つけてしまうような
暴力的な感情を、光が届かないような深いところに沈めた。
けれど、暮らしの中で気泡だけが、ごく偶に浮かび上がる。
パチリと弾けたそれは、耳をつんざくほどに泣き叫ぶ夜だったし
劣等感に押しつぶされないように使った悲しい言葉だった。
気づいていたのに見ないふりをしていたそれら気泡は
小島葵が小島葵として”生きたい”という意思だった。
それらを無視して、戦うことも受け入れることもなく
個としての小島葵の感情を沈めている今を
「生きている。」
といえるだろうか。
それはゆっくりと死んでいくことと同じだと気がつき
それこそ死んでしまいたくなるほど恐ろしくなったのだ。
「けれど、今の私は全てを抱えて生きてはいけない。」
それも同時に感じたからこそ
私はまた『FEEL MYSELF』シリーズを撮ることをはじめました。
抱えきれない感情を
写真に託すことでしか私は生きられない。
そんな私の”もう一度生きることをはじめる覚悟”の写真で、個展でした。
展示をして感じたことは
みんなみんな、何か抱えきれないものをもって生きている。
それを人と分け合って生きている人がいて
他人に預けられず苦しくて泣いている人がいて
みんなどうにかもがいている。そんな人たちと少しだけ
痛みを、孤独を共有して
ひとりじゃないこと確かめられたのかな。
WEB上で何が伝わるものか、という思いがあるけれど
メインの1枚をここで載せさせていただきます。
私の中の
赫く赫く消えない感情たちから二度と目を背けるものか。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
2017年12月1日 小島葵