20211104 賢くあるための2冊

高校生に2冊を薦める機会があり、考えていたのだが、最近読んだ本からプラトン『ゴルギアス』と、合わせる本を探して自分の本棚を眺め、岡潔と小林秀雄の『人間の建設』が良いのではないかと思った。題して、「賢くありたい人のために」とでもしようか。奇しくもどちらも「対話篇」であり、どちらも、知をめぐる対話であると言えよう。同じ対話篇といえども、数千年の隔たりがある。前者は構成的で、後者は雑談である。それに、前者はなかなか道徳的で教育的なのだが、後者を好むというのは、いささか衒学的に過ぎるのかもしれない(個人的にも、おもしろいのだが、白けてしまうところもある……まあ、彼らにしてみれば、衒うつもりなどないのだろうが)。こうした差を味わうのもまたおもしろいのではないか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?