20241011 ポケットに病牀を
『墨汁一滴』を、おそらく二度目だと思うのだが読み始め、正岡子規の知性と趣味の貴さを楽しみつつ、文章のまとまりのいわば俳句的な短さが良い。とはいえ自由なもので、短歌的、連作的といってもいい長さのまとまりもあるが、最小単位はやはり短く、この単位の小ささは、五・七の「句」なのだろう。何が良いって、作品の外部の問題だが、文庫版で厚くもないこともあり、ポケットに入れて、何かしらの待ち時間などにちょっと出して読む、というのに丁度良い。こういった本をポケット本と読んでみたい。世の中にはportableではあろうがpocketableとは言えないだろう「ポケット版」の書物が多いが、そうではなく、物質としても内実においても本物のポケット本である。
風邪をひくとしばらく咳がとまらない人間で、相変わらず2週間は咳が出ている。