4月20日
ゴールデンウィークが、少し心配だ。本当は帰りたくなかったりする。10日間も休んで大丈夫なのかと、心配になる。土日でさえ、ふと精神のことが心配になることがある。今日がそうだ。
重機械を扱う会社の人々は、大なり小なり労災による犠牲者の屍の上に立っていることを知ったこと。「クレーンを作って売る」ことに関わっている人の多さ、また、その効能を知ったこと。そして、漫画家と比較したこと。漫画家も、一部は漫画を工房的に仕上げていること(つまりメーカーと本質的には同じ。)サラリーマンは、信用がモノを言うこと。居眠りがキャリアに響く危険性。一部の人間はこの期に及んで贅沢というものを未だ楽しんでいること。女、酒、ギャンブル。飲みの席においてこの類の話の盛り上がりは後を絶たない。
この二十日間。木嶋佳苗の小説に同時に触れている。永山と同じく、木嶋もグルメのことを詳細に描く。そこに明らかな共鳴がある。牢獄における食と性の欲望には限りがない。
当面の目標は、漫画制作のアシスタント先を見つけること。そして一年間今の会社を休職させてもらうこと。そのために新人賞を取ること。それは変わらない。
けれど、お金と欲望。
特に、酒と飯。
すでに三キロ太った。
今も名古屋駅の住よしに来た。
ワンコインのきしめんに卵をトッピングした。
ちょっとの贅沢を自分も厭わなくなっているし、これまでしてきた我慢の選択肢がなくなった。
横で汚く麺をすすってる青年がいる。
お風呂は溜めるようになった。
傲慢になっているんだろう。
こうやって世界の平和も、動物の命も、何もかも忘れていくんだ。
会社は、国と同じように一つの単位だ。他会社と貿易し、自社を豊かにするよう戦略を立てる。どうしたってそこには家計との境界が生まれる。女性や子供の蔑視として現れる。生産人口と非生産人口の間の壁を感得する。
お風呂なんて、溜めて当然だ。こんなに稼いでいるのだから。朝早く起きて、夜も早く寝ているのだから。14リットルのお湯なんて、自分が汚して当然だ。
そんな傲慢さが、これ以上膨らむのが怖い。
圧力が必要だ。身体が破裂しない程度の空気の圧力のような、欲望を一定の大きさに留めておくための圧力が必要だ。
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