スラム街に足を踏み入れ、何思う。part3
ここパヤタスのゴミ集積所もゴミが多くなりすぎた為、2018年の1月にフィリピン政府によって閉鎖されました。閉鎖前は悪臭を放ち、メタンガスが発生していたそうです。
後方の丘みたいのがゴミ山です。近づくとゴミを確認できますが、今は居住地にいる分には臭いはほとんど感じません。稼働していた頃は体調を崩す子どももいたみたいです。
うおぅ、マジか。。。
「ここが一軒目(の家庭訪問)です。」って案内してもらった時の正直な感想はたぶん、コレです。
私達が珍しいのかたくさんの子どもたちに囲まれながら、生活排水の流れる細い路地を抜けます。子どもの中には裸足の子もいて、地面はデコボコで色々落ちてたりするので心配でした。
さらに細い道を通ってたどり着いた、じめ~っとした場所に、布で仕切っただけの壁と、床は土の地面にビニール製のクッションフロアを敷いた感じの2畳ほどのスペース。ここで親子8人が生活してると言う。ハエが飛び、犬もその辺にいるし、猫も勝手に入ってくる。
靴は脱がなくて良いと言われたけど、ここで寝てるんだよね?って思った。長袖、長ズボン、マスクに帽子のフル装備でなら、この家に入ることも、座ることも出きるけど、横になって夜を明かすことは、今の自分にはできそうにない。
母親は幼少期にはストリートチルドレンの経験もあり、ここに来る前は家政婦や売店の店員をやっていたコトもあるらしい。
しかし、家政婦はオーナーとの折り合いが悪く、店員の時はお金がなくなったコトの濡れ衣を着せられ職を失ったという。
彼女に聞いた、
たいせつなものは?
この家だ。
おそれているコトは?
住む家を失うことだ。
子どもたちに何を望む?
教育を受けさせてあげたい。
家族の好物は?
ホットドッグ。
パヤタスの中にも学校もあるが、お金の工面が出来ず、彼女の子どもたちは誰一人通えていない。先の活動団体のスクールに一人だけ通わせているらしい。さらに彼女の住んでいる家は来月~再来月には立ち退きが迫っていると言う。
30分程のインタビューが終わる。彼女はどんな質問にも答えてくれた。しかしそれほどの衝撃はなかった。彼女が話してくれたことも自分の予想をはるかに超えるようなものではなかった。そして彼女の表情は堅くこわばってはいたが、悲壮感のようなものはあまり感じなかった。
卵とお米。
ガイドから「これ、お母さんへのおみやげなんであなた達から渡してあげてください。」と、彼のリュックの中から出てきたのは、スーパーのビニール袋に入った20個くらいの卵とおよそ1キロのお米。
何よりも息苦しくなった瞬間だった。
彼女の子どもたちが私達を囲んでた意味、見ず知らずの人間が突然やって来て自分の身の上話をする理由。いや、もしかしたらもっとラフに考えているかも知れない。30分で卵とお米が手に入るラッキー!くらいに。わからない。わからないが、私はそれを重苦しく受け止めるほかなかった。
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