踏み出す勇気をもらった。今度は僕が誰かの後押しに。|AOiアンバサダー、大川そうさんにインタビュー!
車椅子でディズニーに行くという選択肢がなかった大川さん。そんな彼がAOiの企画に参加し、今ではAOiを広めるアンバサダーに就任。今回は実際に参加した感想やAOiの魅力を伺いました。
【AOiのひとたち。】
大川 そう さん
車いす美容師 | AOiアンバサダー
「参加するまで、車いすの自分は一生ディズニーに行けないと思っていた」
ーまずは自己紹介をお願いします!
大川:大川そうと申します。
美容師として働いていましたが、今から約3年半前、転落事故に遭い、下半身が全く動かなくなって車椅子生活を余儀なくされました。現在は事務仕事を行っています。
ー大川さんがAOiに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
大川:障害を持っている友人が「みんなでディズニー行かない?」って誘ってくれたのがきっかけですね。
参加する前の僕は、ディズニーに行くという選択肢が自分の中になかったんです。
そんな時に、友人に誘われて「もしかしたら車椅子でも楽しめるかもしれない」と思い、参加を決めました。不安や緊張もありましたが、あの時一歩踏み出してよかったなと今は思いますね。
「AOiは友達、ほかとはちょっと違う」
ー実際に参加してみてどうでしたか?
大川:本当に楽しくて、参加前の自分は何が不安だったんだろうと思いましたね。
安全面のシステム上絶叫系のアトラクションに乗ることは難しかったのですが、車いすでもいろいろな乗り物に乗ることができましたし、パレードも楽しかったです。
園内は車いすでどこにでも行けるような設計になっていたのでよかったですね。
楽しくなった僕が、乗り物に乗っているときに知らない人に手を振ってみると振り返してくれたこともあって。普段はできないディズニーならではの体験もできて最高の思い出ですね。
ディズニーはある意味でインクルーシブ・多様性のある社会だなと思いました。僕たち車いすユーザーは社会で逆に目立ってしまうことがありますが、それが感じられなかったんです。
また、医療従事者と障害を持った方が一緒にディズニーに行くというと、支援する側・される側というイメージがありましたが、実際はそんなことありませんでした。
ただ、みんなでディズニーというテーマパークを楽しむ。それだけだったんです。この企画を通して仲間や友人がたくさんできたので、本当に参加してよかったですね。
ー印象に残っているAOiっぽいエピソードはありますか?
大川:遊園地で宴が始まったのはAOiならではだと思います。
小腹が空いてみんなでチキンを買いに行ったんですが、チキンを食べようとした時に何か足りないなって。そう、ビールだ!と思いついてしまった僕は、みんなにビール欲しい人と声をかけるとみんな飲みたい!!と賛同してくれて突然、宴が始まったんですよね。
他の支援業者さんだと、アルコールはちょっと難しいですってなることも多いと思いますが、飲み始めてワイワイしちゃうのがAOiっぽいなと思いました!
もちろん何かあってはいけないので自己管理できる範囲、自己責任で1杯のみでしたが、あれほど美味しく感じたビールは初めてでした。
「自分に自信がついた、とにかくなんでもチャレンジしてみる。最大の敵は自分の思い込み。」
ーAOiを通して自分自身の変わったところはありますか?
大川:ディズニー企画に参加したことで、勇気をもらって自信がつきました。
参加前の僕は、「車椅子の自分には無理だろう」と思い込んでいました。しかし、この企画に参加して「できない」から「できる」に変わり、自分を制限していたのは、「自分の思い込みだった」と気がついたんです。
例えば車いすの人はプールに行かないし、販売の仕事に就かない。イメージがないから勝手にできないと思いこんでしまう。でもそれは身近でやっている人がいないからできないと思っていただけだったんですよね。
そういった本質に辿り着いたので、とりあえずやってみたり・工夫してみたらできるようになるんじゃないかって思うようになりました。実際にチャレンジしてみて、想像以上にできることばかりでした。どうしてもできないこともありますが、できないことに目を向けるよりできることにこだわればいいというマインドに変わりましたね。
今では「やってみなきゃわかんないじゃん」って思うようになりましたし、新しいことに挑戦することはワクワクしますね。
誰もやったことないことをやるって、めちゃくちゃワクワクする。
ーマインドセットが凄い!大川さんが最近ワクワクしていることは?
大川: 最近では就活ですね。新しい仕事ができることが楽しみで仕方ないです。
最近、障がい者の子どもたちがランウェイを歩くというイベントのMCをさせていただく機会がありました。初めてで大変でしたが、その時も新しいことに挑戦することにワクワクしましたね。
また別の日には、友達の髪のセットをしてみました。ヘアスタイリングって車椅子でもできることに気づけましたし、めっちゃ楽しかったです。友達が喜んでくれたのも嬉しかったですね。
その時にどんな問題があっても当たり前のようにそんなことをできる環境を作ることでできるかもしれない、と思いました。
僕が美容師を頑張りたい理由でもあるのですが、誰かが始めることで、自分もできるかもと挑戦する人が増えたり、車いすでも美容学校に通えるようになったりすると思うんです。そうなると、美容師業界全体でバリアフリーについて、考えてもらえる可能性がありますよね。
車いすの美容師は日本のどこかにはいると思いますが、僕はただ美容師をするだけじゃなく、働きやすい環境を創る・誰もが美容師を目指せる環境を創っていきたい。
今ない未来を作るきっかけに、自分がなれると良いなと思っています。
ーこの記事を読んでいる人にメッセージをお願いします。
大川:僕はAOiの企画を通して一歩踏み出す勇気をもらい、今の自分自身につながっています。
AOiは熱い人・面白い人・優しい人・エネルギーの高い人など、たくさんの人がいて、企画を通して気づけば友達になっていました。
「一歩踏み出す勇気がほしい」「自分でもディズニー楽しめるのかな」という方がいたら、ぜひ、一度参加してみてください。
そして、医療従事者の方もさまざまな働き方をしている方が集まり、出会えます。そして僕のような当事者が「できない」から「できる」に変わるところを見ていただきたいです。
障害を持っていても、こんなに楽しめるんだと、新たな世界が見えると思います。
僕たちと一緒にディズニーを楽しみましょう。あなたの参加をお待ちしています!
◆執筆:穂南 ◆編集:ハル ◆インタビュー:ハル
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