COVID-19院内大規模クラスターの経験
私はコロナ禍で転職をしている。
コロナ超初期に私が勤める病院で大規模クラスターが発生した。
あの頃は未知のウイルスにみんな怯えていたと思う。
白い防護服にN95マスク、シールド。
誰が誰だが分からないので背中に名前を書かれたりして。
いきなり呼吸状態が悪くなった患者がいて、人工呼吸器に繋げるため挿管介助に私も入った。
後にこの人もコロナに感染していたことが判明した。
病院がなんかおかしい。。
病院で働くスタッフ達は異変に気づいていたが、どうすることもできなかった。
そして挿管を行った医師は、コロナに感染し重症化。ECMO装着となった。
共にずっと働いてきた先生が死んでしまうのではないか。
怖くて泣いた。
〇〇病院の前を通ったらコロナに感染するぞ。
病院で働いている方はご遠慮ください。
家族が病院で働いているお子さんはみれません。
病院に対する誹謗中傷、医療従事者差別。
ただでさえ大変な業務の中で、スタッフ達は誹謗中傷や差別に苦しんだ。
家族に迷惑をかけないようにホテルで生活するスタッフもいれば、仕事にいきなり来なくなるスタッフや辞めるスタッフもたくさんいた。
私も家族から辞めなさいと言われた。
でも、あの時の私は『逃げたくない、乗り越えたい、助けたい』という使命感のようなものにかられていた。
そこから1年コロナ病棟で働いた。
怒涛の1年だった。
悲惨な現場もたくさん見た。
目を閉じると今でも鮮明に思い出す。
家族や友人にも会えず、病院と家をただ往復する毎日。
いつまでこの生活が続くのだろうか・・・
私は疲弊していた。
眠りも浅くなりこのままでは自分がダメになってしまう。
そう感じ私は転職した。
でも転職して思ったこと。
結局どこに行ってもそれなりに大きい病院であればコロナ患者を受け持つってこと。
転職した病院でコロナ患者を看ながら、これなら転職しなくて良かったのでは?と自分に何度問うたか分からない。
でも環境を変えたことで仲間も増えた今、これでよかったのだと思う。