水を、必要な分だけを、確保せよ。
濁りが増えた。
僕らが知りたいこと、知らなければならないこと、知らなくていいこと、知らされないこと。
今の時代、情報は僕らにとって水と同じくらい価値のあるものになっているようだ。
溢れかえり、正しさが分からなくなって、溺れている人たち。
振り回されて、惑い、他人の水を奪っている人たち
知らないことで乾き、飢えかけている人たち。
特に今、目に見えない脅威に晒されている、世界。
僕らは試されている。
僕らは次の時代を生きていくことを試されている気がしてならない。
留まり続ける水はいつかは腐る
腐ってしまった水には、生きる僕らに価値はない。
流し続けなければならない。
それは自分の為に、他人の為にも。
僕たちはそもそも、持てるものは限られている。
必要以上に持つことを、もうやめにしよう。
必要以上の水を手にして、溺れることも、まして腐らせることもやめにしよう。
水は循環する。
空より雨となって地上へ降り注ぎ、溜まった水は川となり、そして海へと流れ出る。
海へと流れ出た水は、蒸発して水蒸気となり、また空へと昇る。
そうして繰り返す。
僕らが持てるものも同じなのだと思う。
必要なものを必要な分だけ留めておき、後は流していく。
必要な人に届ける為に。
ただ、今の世界の状況は全く持って逆だ。
脅威は人の意思とは関係なく世界に広がった。
そうした結果、これまでを生きていた人は今のシステムを縮小し、封じ、最小限に留めようとしている。
多分、僕らは持ちすぎたのだろう。
濁りが多い。
ずっと前から感じていた。
耐えきれなくなったような感じだ。
出来ることに努め、自身を見つめ、他人を見つめ、世界を見つめよう。
正しい水を僕らは手にする必要がある。
必要な分だけを。
正しく手にする人たちに注目しよう。
信頼できる人たちの行動を注視しよう。
気づかなければならない。
僕らは奪い合う存在ではないことを。