ヨウシュヤマゴボウ
古くから日本に自生する「ヤマゴボウ」(原産は中国と言われる)という植物があって、それは里山周辺の林縁などに野生化しているけれど数は少ないのだそう。
※ゴボウとは関係なく、根がゴボウに似ているのだとか。
「ヨウシュヤマゴボウ」はその「ヤマゴボウ」と近縁で原産地が西洋(北アメリカ)なので「洋種」がついてこの名前とのこと。ヨウシュヤマゴボウは繁殖力旺盛で各地で雑草化していて、街なかの空き地でも見ることもある。
「ヤマゴボウ」も「ヨウシュヤマゴボウ」も有毒。
ややこしいことに、「山ごぼうの漬物」として出回っている山菜の「山ごぼう」は全然別物で、キク科のモリアザミ、オニアザミ、オヤマボクチなどのアザミ類やヤマボクチの根の総称なのだそう。
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡、学名: Phytolacca americana)
ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草。花期は6~9月。
北アメリカ原産。日本には明治時代に渡来。
別名はアメリカヤマゴボウ。
「ヨウシュヤマゴボウ」と「ヤマゴボウ」の違いは、
茎の色が、ヨウシュヤマゴボウは赤いのに対して、ヤマゴボウは緑色。
花穂は、ヨウシュヤマゴボウは花期が進むと徐々に垂れ下がるのに対して、ヤマゴボウは果期でも直立する。
ヨウシュヤマゴボウは全体にわたって毒がある。
毒性は、根>葉>果実の順であるが、果実中の種子は毒性が高い。
薬用になり、根を日干ししたものを「商陸(しょうりく)」とよび、利尿薬に用いるが、硝酸カリウムを多量に含み有毒なので素人療法は厳禁。若葉は食用として利用されたが、大量に食べると危険。