見出し画像

チャノキ(中国種)

画像4

画像1

いわゆる「お茶」の木。ツバキやサザンカの仲間で、サザンカより早い時期から白いかわいらしい花が咲き始める。写真のものは公園で拾った種から育てた鉢植えのもの。
八十八夜(5月2日ころ)にこの木の新芽を摘んでお茶にする。発酵させずに蒸した茶葉は「緑茶(日本茶)」になり、半発酵なら「ウーロン茶」、完全に発酵させると「紅茶(発酵茶)」になる。
中国から平安時代に日本へ渡来し、鎌倉時代から茶の栽培と喫茶の習慣が広がりはじめ、各地で栽培されるほか、田畑の境界や庭に植えられたことから以前に田畑だった場所に残っていることもあり、野生化もしているそう。
九州や四国に在来(史前帰化植物という説も)の山茶(山野に自生するチャノキ)が自生しているという報告があったものの、結局真の自生とは認められず、帰化植物とされているとのこと(Wikipediaより)
最近は盆栽としても人気なのだとか。
ちなみに八十八夜とは「季節の移りかわりの目安となる雑節のひとつで、立春を第1日目として88日目(立春の87日後の日)にあたる日で平年なら5月2日、不意に訪れ遅霜も降りなくなるため様々な農作業の目安にされてきた」とのこと。

チャノキ(茶の木、学名:Camellia sinensis)
ツバキ科ツバキ属の常緑の低木または小高木。花期は10~12月初旬。
中国の雲南省には樹齢800年以上のチャノキの老木があり、原産地は諸説あるが、中国雲南省説が最有力と。

栽培されているのは大きく分けてシネンシス種(Camellia sinensis var. sinensis、中国種)とアッサミカ種(C. sinensis var. assamica、アッサム種)の2つの変種で、そこから派生してさまざまな品種があるとのこと。

日本のチャノキはほとんどがシネンシス種(75%は「やぶきた」)だけど、アッサミカ種との交配種(紅茶用の「べにふうき」「べにひかり」「べにほまれ」など)もある。
●シネンシス種は中国の四川~雲南地方原産で高さ1~3mの低木。
耐寒性があり、茶葉はカテキンは少なく、アミノ酸を豊富で、主に緑茶に使われる。ただし紅茶のダージリンは、インドのダージリンまたはカリンポンの特定地域(標高300~2100メートルのヒマラヤ山脈東部の丘陵地)で生産されるシネンシス種(今は交配種などもあるとか)。
●アッサミカ種はインドのアッサム原産で高さ8~15mになる高木。
19世紀に発見され、ここからインドでの本格的なチャノキの栽培が始まる。
寒さに弱く高温多湿の気候を好み、インドやスリランカなどで栽培され、葉もひとまわり大きい。茶葉はカテキンを多く含み、酸化酵素の活性が強く酸化発酵がしやすいため、主に紅茶や烏龍茶に使われる。

茶樹と品種はこちら

花は直径2cmほどの白い花で、横向きか下向きに咲き、開くと花弁が反り返るような形になる。ヤブツバキと同じように雄しべが密生し、雄しべの先の黄色が目立つ。
ほぼ1年後の11月ごろに実が成熟し、種子が落ちる。
大きさも不揃いでいびつな形の実がつく。これは去年咲いた花の実ということになる。

画像5

熟すと3つに裂けて、直径1~1.5cm程の実が落ちる。

画像7

画像6


近所で自生(野生化したもの)の小さい木を見つけた。

画像6

画像7


葉を乾燥させたものを生薬名「細茶(サイチャ)、茶葉(チャヨウ)」といい、中枢神経興奮、気管支拡張、強心、利尿作用などが知られており、「川芎茶調散」という漢方薬に処方されている。種子も「茶子(ちゃし)」という生薬。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?