漢詩もどき(漢柳)を為す14
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「艶歌集」より以下略!
雲中暁與霧中人 雲中の暁と霧中の人
曙光薄明浮雲河、 曙光薄明雲河に浮き、
双龍相伴立白波。 双龍相伴ひて白波に立つ。
瑞祥未至漠漠遥、 瑞祥未だ至らずして漠漠として遥かなり、
煩想不絶鱗鱗羅。 煩想絶えずして鱗鱗として羅ぬ。
押韻 下平五歌(河、波、羅)
語釈
曙光…夜明け前の光。
薄明…夜明け前のぼんやりとした明るさ。薄明り。
漠漠…薄暗い。物音がなく寂しい様。
煩想…俗事に関する煩わしい思い。
鱗鱗…次々と付き従う様。鱗のようにぎっしり並ぶ様。
解釈
夜明け前の光がぼんやりと雲の河に浮かび、
二匹の龍が連れ合って雲の白い波の上に立ち昇っている。
(めでたい天上の光景の一方)地上にはその恩恵が未だ至っておらず、先行きは心許ない。
煩わしい物思いが絶えず起こり、鱗雲のように連なっている。