漢詩もどき(漢柳)を為す11
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ご無沙汰しています。
カクヨムにて連載中の詩集(リンク)よりこちらへ掲載していない作品があったので紹介。
帰省即事
終電到郷稀人影 終電郷に到りて人影稀にして、
秋田傾身対拝迎 秋田身を傾けて拝迎に対す。
湖月揺蕩風波騒 湖月揺蕩して風波騒がしく、
河鷺凝立麗容浄 河鷺凝立して麗容浄し。
押韻 去声二四敬(影、迎、浄)
語釈
即時…その時の出来事、景色、様子。その場の事を詠じた詩。
拝迎…拝して迎える。
揺蕩…ゆらゆら動く。
凝立…じっと立つ。
解釈
終電は故郷に到り、人影まばらな駅周辺、
秋の田は穂を垂らし、その拝礼にご対面。
湖に映る月はゆらゆらと、風と波が乱れ舞い、
河の鷺はじっと立ち、麗しい佇まいは穢れと無縁。