駆け込む男、手を離す女。

本日は「開運館 上野マルイ」にて鑑定してきた青鳥(あおどり)なのです。ひと仕事終わって、だらりとしているのです。

で、ふと思い出したのです。
とあるカップルが電車を逃すまいと、走ってきたのです。
そんななか、ホームには「もうすぐ発車いたします」的なアナウンスが流れているのです。
もうひとつ「駆け込み乗車は危険です」も流れているのです。
が、そのカップルは、走れば間に合う、という勢いで青鳥が乗っている車両へ、その開いている扉目指して迫ってくるのです。

男性は女性の手をしっかりと握って、離すまい、と必死なのです。女性はヒールの靴や可愛らしい服を着ていたので、男性のスピードについていけず、その腕が引っ張られるに任せて小走り、なのです。

男性はスピードを緩めません。必ず目の前の電車に乗るんだ! という意気込みを感じるのです。女性はもうヘトヘトで、一本送らせて息を整えたい、そんな感じでした。
発車ベルが鳴り、扉が閉まろうとしたその瞬間、男性は上手いこと体を電車内に滑り込ませました。
が、幸運はそこまで。
女性が身の危険を感じとり、咄嗟に男性の腕を振りほどいた、と同時に、ホームに体のほとんどはあるものの、引っ張られていた腕が、軽く扉に挟まれていたように見えたのです。
そのときも思ったのです。おねいさん、ナイス判断。男性と同じスピードで走れないし、扉に腕じゃなく、体ごと挟まれる危険性もあったのに、きちんとそれを回避したこと。
流石に、あのままじゃ危ない、とおねいさんの危機回避能力発動になったようです。

電車の扉は無情にも完全に閉じてしまい、男性は電車内、女性はホームで、ガラス越しに見つめあっているのです。
「どうしよう!?」
二人の態度からは、そんなことが読み取れるのです。
男性はすぐにスマホを取りだし、彼女へ電話をかけたのですが、生憎電車が動き出したのです。男性は彼女の姿が見続けられるように移動しつつ、電話での通話をしていました。

そのさき、ふたりの動向はわからないのです。
でも、ちょっと青鳥は思ったのです。
どう見ても二人が、主に手を引っ張って離さなかった男性に非があるなあ、なのです。
あのスピードで電車に駆け込み乗車するだなんて、ありえないのです。彼女さん、きっとデートを楽しみにしていただろうに、キレイな可愛い服を着て、ヒール、なのです。走れるわけがないのです。それを強引に、手を離さないよう握りしめている男性は、気を配る、ということが出来ていないのです。
このままいったら、ギリギリ、という判断は出来たにしても、なら、次の電車を待つべきなのです。それなら彼女さんはあんなに走らずに、腕を挟まれそうにならずにすんだのです。きっと、怖い思いをしたんじゃないかな、なのです。
男性は、彼女さんのことを本当に大切だと思ったなら、駆け込み乗車はするべきではなかったのです。
一本遅らせて、ふたりの時間を堪能していればよかったのです。
強引に進めると、こんなことにもなるんだなあ、なんて全く違う見方をする青鳥なのです。




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