セミの脱け殻と、セミの亡骸

今日も暑い、東京の生息地域の青鳥(あおどり)なのです。
目的もなく、ぼーっとふよふよしていたのです。

途中、いやに煩い街路樹があるなあ、と思ったらいつもの静かな樹があったり、音の偏りが激しい地域があったのです。
その種類もひとつだけではないような。いくつかの鳴き声が重なっていて、不快なのです。

煩い、静か、を繰り返して、とある煩い地区に入り始めたとき、それを見つけたのです。
ちょうど目の高さくらいの石の門戸にしがみつくような、それ。
セミの脱け殻、なのです。
こんな歩道の人通りの激しい場所にで孵化するなんて・・なのです。車の通りも激しい場所なのです。

セミさんはチャレンジャーだなあ。なんて思いつつ少し歩くと、また、遭遇するのです。
地面に落ちている成長したセミさん、なのです。
ひっくり返って動かないその様は、全てを全うしたのかも、なのです。
隣には、別のセミさんが同じようにひっくり返って落ちていたのです。

自然って、こういう姿を並列で見せてくるから、油断ならないのです。
始まりと終わりが同時に存在している世界なんだなあ、なんて思ったら煩い合唱にも耐えられるか・・なんて、少しだけしんみりしてしまった青鳥、なのです。


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