トロンボーン響く橋の下
洗濯をしようとおそとへ出たら、なにやら暖かくて戸惑った、青鳥(あおどり)なのです。
お天気も良いし、風は強いけど、お散歩ふよふよにはもってこい! なのですが、予想よりも、暑い。
これは着るものに頭を悩ませるのです。
暖かいけれど、風が強い。ので、コートを羽織ることにしておそとへ GO! なのです。
もちろん帽子も被って出てみたら、やはり暑い。確か青鳥の生息地域は 20℃ に達していたような・・。
いつもの河川敷を歩くのですが、「不要不急の外出は控えるように」といわれても、人はおそとへ出たくなるものなのだなあ、と思うわけなのです。
お散歩、ジョギング、ロードバイクで疾走、少年たちは野球、サッカーを楽しむ。
家族連れは小さい子供とボール蹴り、なんてしているのです。
もう少し余裕のあるご家族、友人一団はキャンプ用品を持ち込んで、思い思いに寛いでいらっしゃるのです。
そりゃそうだ、いい加減、飽きるのは仕方ない、と思うのです。
本当はこうしてふよふよしていたらいけないのです。
けれども、一般の人はこんな行動、なのです。ここは東京の外れの街だし、こんなものかもしれないのです。
青鳥は、というとついにコートを脱いで、シャツ姿になるのです。いやあ、暑いのです。
片腕にコートをかけて目的地へ向かうのです。先日「島川のカステラ」を購入した大きな商業施設へ向かうのです。
今日はコート姿の人をあまり見ないのです。まあ、日中だから、なのかも。朝晩はまだコートあった方がいいかなあ、の感じなのです。
葉桜になっていく桜を愛でつつ、商業施設へ着くのです。まだ「北海道フェア」は開催されていて、商品もあるのです。
今回購入するのは「ハシモトのタマゴボーロ」なのです。
これも北海道の、札幌のソウルフード、なのです。
製造は池田食品さんなのです。北海道のジャガイモ 100% のデンプンを使った、やさしい味わいと、サクサクの歯触りが楽しいタマゴボーロなのです。
こちらも機会があったなら、試して欲しいイッピンなのです。
けれど、東京のスーパーでは見ないので、もう無理かと思いきや、なのです。
前回見つけたので、買いに来たのです。これで本日の青鳥のミッションは終了なのです。
帰り道にまた帽子を飛ばされ、帽子と服を繋ぐクリップに助けられ、被るのを諦めたのです。また風に負けたのです、悔しいのです。
ちょっぴりぷんぷんしつつ、土手をふよふよしていたら、音が、風に乗って聞こえてくるのです。
進行方向から、流れて来るのです。
河川敷はテントが幾つか張ってあって、そこから聞こえるのかな? と探して見たところ、どうもいない。
おかしいなあ、と思いつつ音のする進行方向へ足を進めると、だんだん音が大きくなってくるのです。
管楽器の音、なのです。
サックスほど突き刺さらない、ホルンほど丸くない。低音がしっかり確かに響くのです。
問題があるとすれば、演者の度量がまだ拙いこと。はじめたばかりなのかも、というくらいたどたどしく響くのです。
漸く音源を突き止めたのです。
橋脚の下に、少年がいたのです。
金色のトロンボーンをちょっと持て余しているような、ぎこちない楽器の扱い方、なのです。トロンボーン、大きいですしね。
練習をしている少年に、頑張れ! と、心でエールを送って、青鳥はおうちへ向かうのです。
不要不急の外出、とは? なのですが、ふよふよしたお陰で、挑戦している少年をこっそり見られたのですから、まあ、臨機応変に、なのです。
それはそれ、これはこれ、な青鳥、なのです。