落とした1円玉は、もうなかった
今日は涼しい一日で、かなりゴキゲンだった青鳥(あおどり)なのです。
やはり涼しいのが一番、なのです。
これで人の形と意識をキープしたまま動けるようになるのです。
なるのは、いいのです。
いつもの通りを歩いていると、ふと、気になることを思い出したのです。
「この近くで、夕方に1円玉落としたなー」なのです。
だからそのポイントに着いたら、ちょっと探して見ることにしたのです。
ポイント到着なのです。
ぐるっと、軽く見ると丸いものはないのです。
なので少し腰を屈めて見たのです。
夕方ではないので、充分に見ることが出来るし、人もいないので奇行だと思われる心配もないのです。
けれども、ないのです。
あのとき掌をすり抜けていった1円玉は、誰かに拾われたようなのです。
どこかで流通に乗って、使われているといいなあ、なんて思った青鳥なのです。
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