オレオレ、オレだって
今日はお天気もそれなりで、買い出しに行ってきた青鳥(あおどり)なのです。
いつものお店に行った帰り、なのです。
お目当ての商品をGETできて、ホクホクしていたのです。
気分よく歩いていたのです。
すると、一軒のアパートの前に差し掛かったのです。
全戸の出入り口は一つしかなくて、外には各戸別に繋がるインターフォンが設置されているのです。
そこに、一人の男性が立っているのです。
作業着を着崩して、ラフ目に着ている中年男性なのです。
体型はシュッとしていたし姿勢も良かったので、若目に見られそうな方なのです。
作業着は汚れていなかったので、日常の私服感覚なのかも・・なんて気になって見ていたら。
「オレオレ、オレだって」
と、そのインターフォンに向かって話し始めたのです。
はて? どなた?
鳥類は頭に?マークを浮かべたのです。
「は? 誰? 何?」
と、インターフォン越しに繋がったおうちの人が機嫌悪くお返事しているのです。
女性の声だったのです。
「いや、だからオレだって」
男性は言うのです。
「あぁ!? だから、ダレ!!」
女性はキレています。
まあ、男性からインターフォン越しに「オレオレ」言われても、ねえ・・なのは理解できるのです。
「いや、あのさ・・」
と、男性がいいかけたとき、インターフォンは切れました。
女性側が切った模様、なのです。
佇む男性はまたインターフォンのスイッチを押したものの、反応はなし。
ちょっと後ろ姿が途方に暮れていたのです。
いや、だからさ。
名乗ろうよ? なのです。
本当に、どんな素性の人だったのか、気になりつつもその場を後にしたのです。
おうちに帰り常備菜を仕込みつつ、思い出してはとっても気になった青鳥、なのです。