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みじかい話「においのもとは・・」クリニック編

クリニックで受付をしていた頃のお話です

クリニックには、個性のある常連さんも来られます。

「手を握ってくるおじいさん」

私の勤めていたクリニックの受付は、パーティションに小さな手渡し窓のついたタイプのものでした。

この常連の患者は、いつもフレンドリーな方で、
「てーだしてみてぇ~」と言われたので、私は診察券を出されるものだと思い、手を出すと、ガシッと手をつかまれました。驚いて手をひっこめようとすると
「飴ちゃん、あげよーおもたん(思った)やん」

「ご飯に誘うおじいさん」

「なぁ~、仕事終わったら昼ご飯食べにいこ~」
小さいクリニックなので、常連の患者は多くむしろ飛び込みの患者のほうが少ないのです。
この患者は、よくご飯に連れて行ってくれるのですが・・・

ある日、ご飯を食べながら
「なぁ~、あんたって化粧上手やねぇ~」
と言うのですが、これって誉め言葉?それとも?

「香水ブンブン」

医院長は、高身長でとてもやさしい先生だったので、女性患者の人気も高く、院長目当ての患者もおられました。

ある日、遅番でクリニックに行くと待合室や診察室には、香水の匂いが充満していました。
「この香水の匂いは、○○さんですね」
「そやねん、さっき帰りはったわ~」と医院長。

ドアや窓を開け放っても匂いは、なかなか取れません。
「この香水の匂いをたどって行けば、○○さんのお家に行けますねぇ~」

※病院に行くマナーは、香水はつけない。化粧は薄めに。手術前はマニュキアも禁止がお約束です。

「カサブランカが苦手」

クリニックでは、慣習で患者から贈り物をいただくことがよくあります。

お菓子・ハンカチ・果物などはとっても嬉しいのですが、変わったものではネギ・新巻鮭などもあります。

お花は頂き物の定番ですが、ゆりやカサブランカはお見舞いのお花としても持って行かないほうが良いとされていますね。

ですが、うちのクリニックには時々カサブランカが届きます。

私は、においのきついもの全般が苦手で、匂いをかぐと頭痛がしてきます。
「う~~~💦、カサブランカですかぁ~!今日は早退しまーす」

「TOMOKOさんが死んじゃうので、なんとかしないとぉ~」と言いながら、院長がいつも花粉をハサミで全部取り除いてくれていました。


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