知らなかったよ
あの日諦めて要らないって手放したものを今になってこんなに欲しくなるなんて思わなかった
いつからか夢は夢でしかなくて 理想があっても現実との差に愕然として諦めるようになった
求めたら求めた分だけ心が苦しくなった
きっかけは何だっけ?
いつからか人にも心を閉ざすようになって
自分の殻に籠るようになった
友情、愛情、信頼関係とか''絆''が馬鹿らしくなった
信じられるのは頼りない自分だけだと思った
あの日 昼間なのにカーテンを開けず部屋で泣きながらタバコを吸ったあの日 多分あの日 1人じゃなにも出来ないのに一人で生きようって決めた
家から動かないゼンリーを見て友達が心配して連絡くれても 話聞くよって言葉を貰っても 全部全部鬱陶しくて仕方なかった
分からない癖に この絶望を理解できない癖に
なんて思いながら突っぱねた
そんな風にどんどん拗らせて気付いたら
風俗嬢になっていた
この道に足を突っ込むって決めたのは自分で
過去に未練なんてなかった
なかったはずなのに たまに選ばなかった未来や進むはずだった未来を想像して辛くなる
もう大丈夫だって吹っ切れたと思ったのにまた求めそうになって泣けてくる
なりたいなら頑張ればいい今度は踏ん張り続ければいい 難しいけどシンプルで簡単な話
だけど それが出来ないのは
自分のことを信じられないから
色んなものを捨ててきた 後悔なんてしないって思ってたけど 今は後悔しかない
知らなかったよ 失ったものがこんなにも欲しくなるなんて