【二次創作FA小説】役職マシマシ人狼やんスマ(拡大解釈注意)
⚠️以下ワイテルズ様の2023年役職マシマシ人狼第4回目の動画の二次創作小説です。
元ネタはあった上で、人狼中のストーリー妄想して書いています。
高校の時からの友達と実況者をする傍ら、俺は占い師をしている。
とはいえ、お小遣い稼ぎに、誰にでも当てはまることを言って、悩み事の要件をまとめて整理してあげて、悩んでいる人の肩を押してやるだけ。
いわゆる、バーナム効果で、人からお小遣いをもらっている自称占い師。
ただ、リピーターはいなく、いつも1回だけ連絡が来て、それ以降全員音沙汰無しだった。
今日は、たまには紅葉狩りでもしようと、みんなで少し町から外れたところにある旅館に泊まりに来ていた。
安宿で部屋も狭いため、一応部屋は各一人一部屋当てられていた。
飲み会をして自分の部屋へ戻る途中、迎えの部屋から大音量で音楽が流れて来て立ち止まる。
「なんか流れてる」
呟いた目の前にスーツの人が現れた。
「うぉっ、びっくりした!
なんだよ、スマイル?」
「ちょっとさぁ」
思い詰めた表情で、言いにくそうに渋い顔をしながら「やっぱやめておくわ」
そう言って去っていく。
「なんだよ、あいつ」
そう吐き捨てて自室の部屋を開けた。
和室のいかにも旅館らしい部屋、畳に荷物を放置したままで、奥の窓が少し開いていて、夜空に紅葉が照らされていた。
夜空には満月。
この時期の満月は、ビーバームーンとも呼ばれる。
人間関係とか会話、行動力とか言われているらしい。
広縁の角にある小さな冷蔵庫の中に入っているビールを開けて、近くの小さい椅子に座る。
さっきのスマイルの何かを言いたげな表情を思い出した。
「なんだったんだよ」
嫌な感じがして、でも覚えがなく、何かを察しないといけないような気もして、酔いに任せながら、たまには、勝手に人のことでも占おうと思った。
荷物の中から仕事道具の台座と水晶を取り出し、目の前の小さな机に置いて、水晶の中を覗く。
いつもそこから先の記憶がない。
集中し過ぎて眠りに落ちるように暗闇に包まれる。
呼吸を少し止めて、深呼吸をしてみる。
風のざわめきが聞こえて振り返れば、満月の月明かりに照らされた鳥居と、その前にいる白銀の狼が見えた。
気がついたら森の中に佇む神社へ続く階段の途中にいた。
狼の遠吠えが聞こえる。
「お前占いやってるんだってな」
溜息の混じった声がして、声がした方を見ると、さっきのスマイルが立っていた。
「そっちも楽しいか?」
なんで、そんなこと聞く?
「それより、さっきの、何言いに来たんだよ」
苦笑い。
いつもはっきりしない。
スマイルが白銀の狼の方へ歩いていく。
葉擦れの音がする。
「ちょっくら死んでくるわ」
頭の中が真っ白になった。
満月の月明かりがスマイルを上から照らす。
瞼が重くなってくる。
よく分からんけど、いつものゲーム中のように、リスポーン地点に戻って何かをやり直したいのかと思って、何やってんだよと笑って手を振る。
自分の口からよく知らない声がした。
「あぁ、またね」
スケルトンのような骸骨の音と一緒に、空間を切り裂くように弓矢が飛んできて、鏃の先が星のように光って見え、その光が広がって視界が光に包まれた。
朝が来た。
今までのことが、ずっと時が経った後の、遠くに忘れてきた思い出のように感じ、胸が傷んでいた。
呼吸が荒く、変な汗をかいている。
心臓の鼓動のように廊下がざわついていた。
部屋の襖が勢いよく開かれて、焦った深刻な表情にパンダのフードを被る、Nakamuが飛び込んできた。
「スマイルが誰かに殺されたって」
自称占い師は、関わった人を殺してしまうという大神家の呪いにかかっており、占った先は死ぬ。