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「真逆大当たりの法則」行き詰ったら逆をやれ!


東京2020の奇跡~なぜあのエンブレムが選ばれたのか!?


人生において、大半の人は外れくじばかり引いています。
もともと人生は一筋縄ではいかないところですから仕方ないといえば仕方ないのですが、それにしても外れくじ、つまり失敗が多すぎます。

原因は色々考えられますが、常識にがんじがらめになってただひたすら正当路線ばかりを突っ走っている、ということが一つ挙げられます。

何かをやろうとする時、ほとんどの人は常識の範囲内でやろうとします。
また孤立を恐れるせいか、他人と同じことをやろうとします。

青信号はもとより、赤信号でさえも「みんなで渡れば怖くない」式に同調行動をとります。

確かに世間と歩調を合わせること(正当路線)は大切です。でも、それ一辺倒ではいずれ行き詰まる可能性大です。

正当路線は常に込み合っており、大勢の人が同じゴールを目指してしのぎを削っているからです。もっともあなたに特段の才能があれば話は別ですが、そうでない限り、その中から大当りを得るのは至難のワザと言っていいでしょう。

ではどうするか?
正当路線から外れて、その逆をやるのです。
もちろん、「常に」というわけではありません。
ピンチに陥った時、行き詰まった時、あるいは競争相手が多い時に限って真逆をやればいいのです。
そうすることで、時に思わぬ大当りに出くわすことがあります。
 
古い話になりますが、2020年に行われた「東京オリンピック、パラリンピック」のエンブレムを例に挙げて考えてみましょう。

エンブレム募集時、おおよそ1万5千件もの応募があったようです。
ご承知のようにその中から4候補作品に絞られ、最終的にデザイナーの野老朝雄さんの作品が選ばれました。
ご存じの通りです。

それにしても、それにしても、です。
なぜ他の作品ではなくて「野老さんの作品」だったのでしょうか?
1万5千件の中から「形式要件のチェック」で1066作品が通過し、デザインのチェック①で311点、デザインのチェック②で64点、そして「エンブレム委員会での審査」で4候補作品に絞られました。
 
最終候補3作品はもちろんのこと、デザインのチェック②の64点の中にも素晴らしい作品は少なからずあったはずです。

逆に、見方によっては野老さんの作品は少し地味に映りました。
でも、私は野老さんの作品をテレビで見た時、「おや?」と思いました。
他の3作品がカラフルでスタイリッシュなのに対して、野老さんの作品は地味ながら上品でシンプルだったからです。

さて、ここで応募者の気持ちになって考えてみましょう。
1万5千点の中から選ばれるためには、いったいどんなデザインにしたらアピールできるでしょうか。

大半の応募者は21世紀に相応しい、カラフルでスタイリッシュな作品を目指したことでしょう。事実、最終候補に残った他の3作品はまさにその手の作品でした。

でも、残念ながら落選しました。
理由はあまりにも「ありきたり」だったからです。
もちろん、個々別々に見ればどれも素晴らしいのですが、いかんせん、3作品とも類型的で個性が感じられません。
 
そこへいくと野老さんの作品はスタイリッシュではありませんでしたが、
個性が感じられました。

というよりも3作品がカラフルで同じような作風だっただけに、コントラス効果で逆に野老さんの作品が新鮮に映ったのです。

「多分たくさんの応募があるだろうから、よほど斬新なデザインでない限り審査に通過しないだろうな……」

と野老さん考えたかどうかは分かりませんが、とにかく野老さんは他の応募者とは違った路線、つまり正当路線ではなくて真逆の路線で勝負に出たのでした(無意識に)。

そうして生まれたのがあの市松模様のシンプルな作品だったのです。
ちなみに市松模様は江戸時代に超人気のデザインだったそうですが、これに日本の伝統色の藍色一色で描いたため、温故知新で逆に審査員に斬新性を感じさせることができたのです。


人生もほぼこれと同じことが言えると思います。
とにかく行き詰まった時や競争相手が多い時には正当路線を外れて真逆をやってみることです。
押してもダメなら引いてみることです。

もっとも冒頭でも述べたように、なんでもかんでも逆をやればいいというものではありませんが、真逆は的さえ外さなければどこかで大当りできるチャンスが巡ってくるはずです。
ぜひ、あなたも考えてみて、実践してみて下さい。


最後までお読みくださいましてありがとうございました。
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