麻雀の点数計算

麻雀の点数計算は「式を1つだけ覚える」だけでOK!
~「親は子の倍払う」のに「300-500」「400-700」「2000-3900」な理由~


〇この記事で分かる事
・麻雀における「子のツモ上がり」で、子・親がそれぞれ支払う点数の仕組み(=計算式)について説明します
・70符・90符などのレアケースの点数も、20~50符などの見慣れた点数と同様に算出できる、その仕組みを説明します。


〇読んで欲しい方
・麻雀の「点数表」を覚えたい方
・麻雀の「得点計算の計算式」を覚えたい方
・点数計算で「大体はわかるが、70符・90符などのレアケースはあやふや」という方


〇所要時間
 5~10分


〇初めに

麻雀で遊ぶ上で多くの方に障壁となっている「点数計算」。
これに関しては「場数をこなして一つ一つを覚えていけばいい」という意見が多数派に属する様に見受けられます。
私もその1人でした。

ですが、麻雀の点数表は、すべてを覚えるにはやや複雑であり、中々覚えられない方・覚えるのが面倒と感じる方が少なくない数いらっしゃるのもまた事実です。

そこで、麻雀の点数計算の基本に立ち返って、麻雀における点数のやり取りが、なぜこのような複雑な数字で成り立っているのか、その原則についてご説明したいと思います。
よかったら最後までお付き合い頂けたら幸いです(約10分)。

〇麻雀の点数計算は「たった一つの式」で成り立っている!

麻雀の点数のやり取りは「規則的に見えてそうでない」数字が並びます。

・子の30符1ハンのツモは「300-500 ※子は300、親は500、上がった人に払うという意味」。
・子の30符2ハンのツモは、1ハンの倍!…とみせかけて「500-1000」。
・子の30符3ハンのツモは、2ハンの倍じゃない?…とおもいきや倍の「1000-2000」。
・子の30符4ハンのツモは、3ハンの倍!…とみせかけて「2000-3900」。

「きっちり倍の時もあればそうじゃない時もある!なんじゃそりゃ!?」となるのも無理もありません。

ですが、不規則に見えるこの複雑さは、たった一つの式から導き出されているのです。
すなわち

「子のツモ上がりの際に子が払う点数は、符×4×2のハン数乗の、10の位を切り上げた値」
「子のツモ上がりの際に親が払う点数は、符×4×2のハン数乗をさらに2倍し、10の位を切り上げた値」

という式です。


〇「300-500」の大本は「240-480」!計算式で300-500を導き出そう!

それでは早速、この式に沿って計算してみましょう!
例は先ほど挙げた「子の30符」の「1ハン」で計算します。

・子供の30符1ハンのツモ
 
 →符×4×2のハン数乗

 =(30×4)×(2の1乗=2)=(30×4)×2=120×2=240

 →10の位を切り上げ:240→300

つまり、子の30符1ハンのツモ上がりの際に、子方2名が払う点数「300点」は…
「符の30を4倍した後、ハン数分2をかけた値である「240」の、10の位を切り上げた値」、という事です。

そしてその時の親の払いは、子の点数の倍払う事になりますが…
この「倍」というのは「10の位を切り上げ」る「前」の倍、つまり240の倍の「480」の、10の位を切り上げた値のこと。
つまり「500」となるのです。

まとめると、
子供の30符1ハンのツモは…

子:30×4×(2の1乗)
 =30×4×2=120×2=240
親:子の点数を倍にした値
 =30×4×(2の1乗)×2=30×4×2×2=120×2×2=480

の、それぞれ10の位を切り上げた値、つまり「300-500」になりました。
要は、子の30符1ハンのツモ上がりで生じる「300-500」という支払いは「240-480」の10の位を切り上げた値、という事なのですね。


〇「符×4×2のハン数乗の、10の位を切り上げた値」を実際に計算してみよう!

ではここで、30符の子のアガリの、2ハン~4ハンについても計算してみましょう!
全て「子のツモ上がり」です。

30符2ハン:
 子:(30×4)×(2の2乗)
  =120×4=480
 親:(30×4)×(2の2乗)×2
  =120×4×2=960
 「480-960」の、それぞれ10の位を切り上げて「500-1000」

30符3ハン:
 子:(30×4)×(2の3乗)
  =120*8=960
 親:(30×4)×(2の2乗)×2
  =120×8×2=1920
 「960-1920」の、それぞれ10の位を切り上げて「1000-2000」

30符3ハン:
 子:(30×4)×(2の4乗)
  =120*16=1920
 親:(30×4)×(2の4乗)×2
  =120×16×2=3840
 「1920-3840」の、それぞれ10の位を切り上げて「2000-3900」

このように、麻雀の点数計算における、子のツモ上がりの際の支払い点数は、最初に挙げた数式

「子のツモ上がりで、子が払う点数は、符×4×2のハン数乗の、10の位を切り上げた値」
「子のツモ上がりで、親が払う点数は、符×4×2のハン数乗をさらに2倍し、10の位を切り上げた値」

で成り立っている事がわかります。


〇いろんな「符」で計算してみよう!

30符の1~4ハンについては前述のとおりですが、それ以外の符ではどうでしょうか。
具体的な手役・ハン数でやってみましょう!すべて「子のツモ」で考えます。


▼20符:面前ツモ・ピンフ 20符2ハン▼
→400-700

子の払い:20×4×(2の2乗)
 =80×4=320
親の払い:20×4×(2の2乗)×2
 =80×4×2=640

→320-640、10の位を切り上げて「400-700」


▼40符:面前ツモ・発・東 40符3ハン▼
→1300-2600

子の払い:40×4×(2の3乗)
 =160×8=1280
親の払い:40×4×(2の3乗)×2
 =160×8×2=2560

→1280-2560、10の位を切り上げて「1300-2600」


▼50符:面前ツモ・七対子・赤1 50符3ハン▼
→1600-3200

子の払い:50×4×(2の3乗)
 =200×8=1600
親の払い:40×4×(2の3乗)×2
 =200×8×2=3200

→1600-3200、10の位を切り上げて※「1600-3200」
※50符は場ゾロの4をかけた時点でその後何倍しても100(200)の倍数=10の位はゼロ


▼60符:リーチ・ツモ・白(白暗槓など) 60符3ハン▼
→2000-3900

子の払い:60×4×(2の3乗)
 =240×8=1920
親の払い:60×4×(2の3乗)×2
 =240×8×2=3840

→1920-3840、10の位を切り上げて「2000-3900」
※符が10の偶数倍の時は、符を半分にしてハン数を1つ増やした時と同じ値になります(60符3ハン=30符4ハン)


▼70符:白・発(白暗槓・発明槓など)▼
→1200-2300

子の払い:70×4×(2の2乗)
 =280×4=1120
親の払い:70×4×(2の2乗)×2
 =280×4×2=2240

→1120-2240、10の位を切り上げて「1200-2300」
※見慣れない符の得点こそ、基本(計算式)に立ち返ってみると理解しやすいかもしれませんね。


▼90符:白のみ(白暗槓&役牌以外の公九牌暗槓・他順子/中張牌ポン/対子役なし、等)▼
→800-1500

子の払い:90×4×(2の1乗)
 =360×2=720
親の払い:70×4×(2の1乗)×2
 =360×2×2=1440

→720-1440、10の位を切り上げて「800-1500」

〇エクセルで表を作ってみました!

麻雀を初めて間もない人や、あるいはある程度回数を重ねた人であっても、覚えるにはやや大変な点数計算ですが、文字通り「計算式」で成り立っている事が分かりました。
ただ、依然としてすべてを覚えるのが大変、という方もいらっしゃると思いますが、そんな方にお勧めなのが「エクセルで一覧表を作ってみる」です。
エクセルの「表計算ソフト」としての最低限の機能を使うだけで麻雀の点数表は自作できますので、よかったら作ってみてはいかがでしょうか。

私が作ってみた表を画像で掲載しておきます。
実際に使う値である「10の位を切り上げた値」は、「任意の位を切り上げる関数”ROUNDUP”」を使って別表を作る事で完成します。

エクセルできない!という方も、エクセルの基本的な使い方を習熟するいいきっかけになると思います(?)ので、この機会にやってみてはいかがでしょうか。
※動画で載せておきますね。

〇親の点数は、表を見ると一目瞭然!

麻雀における子のツモ上がりの点数が、このような式の元で成り立っているという点、ご理解いただけましたでしょうか?
一つ一つ覚えるのもいいですが、そうであるにしても「こういう式で成り立っている」事を知っていた方が覚えやすいのでは、と思います。
特に70符の1200-2300といったレアケースも、子と親ではもともときっちり倍違う「1120-2240」という、「70×4×2のハン数乗」が元だった、と知っていれば思い出しやすいと思います。

今回は子の点数についてご説明しましたが、親の点数は今回の「子の点数」を元に算出されていますから、子の点数が分かれば親の点数もそう難しくなく覚えられる=理解できると思います。
親についてはまたの機会に。


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