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飛ばない鳩

嵐が近づいてきているというニュースが連日流れている。
台風はのろのろとあっちへひょろひょろこっちへひょろひょろ。風船みたいに海面温度や風に引っ張られたり押し除けられたり。

週の前半の朝。

台風の影響か、少しだけ天気が不安定な朝。早朝家から出て駅へ向かう。家から駅までの道は林や雑草が生い茂って押し寄せてくる石垣がある。その草がアスファルトまでなだれ出ているあたりで、鳩の助らしき鳩に会う。大きいし、なにせ、近づいても飛ばない。草のそばで佇んでいたので、「鳩の助」と声をかけてみた。佇んでいる鳩のほんの20センチぐらいそばですれ違う。鳩はちょっとだけこっちを気にして、そのあとは知らん顔で草のそばに立っていた。

鳩の中ではキジバトは綺麗だと思う。好きな種類だ。台風が来るかもしれないよ、鳩の助。鳩乃と力を合わせて安全な場所を探して避難してね。

朝はもう地面からの虫の声が多い。同時に蝉が少し鳴いている。

翌日、さらに台風は近づいているという。シジュウカラはベランダにきてつつぴつつぴと鳴いている。こんな小さい鳥もどうするのだろう。ヒガラも来てスイスイスイともヒヒヒとも聞こえる声で鳴く。

この日も駅まで歩く。

空を見ると、大きな虹がでていた。まあるく綺麗に地面から地面へ。こんなふうに綺麗にくっきり大きく見えるのは珍しいなと思ってみていると、二重になった虹で、虹のちょうどてっぺんのところ付近に外側にもう一つ虹がかかっていた。
綺麗だなと思ってみながら歩いていたら、この時間、よく見かけるご老人がスマホで激写中。長い間試行錯誤しているのが離れたところから見えた。写真とりたくなるよね、と思って近ついて行ったら、「ほら!虹が出てるよ。びっくりちゃってさあ。」と声をかけられた。割と朝よく見かける方だったけれど、話すのは初めて。「そうそう。二重になってますよね」と答える。

空気中に水分の粒が残っていて虹となったのだろう。それにしても綺麗にくっきり大きく見えた。珍しいなと思う。

翌日。ガビチョウが庭のそばで長く歌う。台所へ降りていくと、料理統括長殿が「ガビチョウうるさいねえ」と言う。そうだねえと答えると「ねえ。ピーマン(ベランダ栽培)齧っているの、ガビチョウなんじゃないかと思う。」と言う。以前からピーマンの一部が食べられているのだ。ガビチョウは力が結構力が強いし、器用だし、網をかけても隙間からうまく食べるかもね。とうことで「ガビられているかもね」(齧られているかもね)ということになった。

ピーマン食べてるなら健康かなあ。ガビチョウ。

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するすみ
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