仕方がないけれど
「道明」から領布の手紙がきた。いつも楽しみにしているのでウキウキと封を切ったら、少し寂しいお知らせが。
以前、この封書の案内を止める人はしらせてほしいという通知があって、その後も「いらない人はここへマーク」といったお知らせが返信ハガキにつくようになった。
それでも希望者には封書での案内とハガキでの注文ができていたのだけれど、今回、今後はネットショップで普通に通販して欲しいとの通知が入っていた。
封書での案内は、領布の時期を逃さないし、何より、封書の中に入っていた丁寧な案内がとても勉強になっていた。そして実際の色がわかりやすいように、その領布の都度中心になる基本の紐の絹糸がサンプルとして入っていた。これがとても良かった。どうしても写真ではわからないニュアンスがわかるのと、今後の準備のためにも使え、しかも色の解説と、どんな色に合うかといったコメントも記載されていた。
しかし、こんなふうに丁寧に案内を出すのは今の時代割に合わないのだろう。
ついに、ここも合理化かあと思う。お店とのつながりが元々それほど濃い方ではなかったけれど、それでも、こちら側からだけは「良い店」としてさすがの丁寧さだと思っていたのだけれど、それも切れてしまうのだろう。
今までもらった案内は全てファイルにして、時々眺めている。色の表現というのは難しくて、じっと見ていても、これが黄色と言っていいのか緑と行っていいのか・・・と思ったり見れば見るほど、難しい。少しの色のニュアンスで全く合わないというものになってしまうので、人に「何色を」という時に、本来の名前が言えれば一番伝わりやすいのだ。黄色、緑、赤、朱色などではなく、それぞれの名前で。
寂しいといえば、もう一つ。
出光美術館が年内で一度クローズするとのお知らせがあった。
ここはビルの建て替えとのこと。なくなるわけではなく、ビルの都合でお休みとのことだ。各美術館、たまにこういう時期がある。いつもよくいくサントリー美術館や根津美術館も年単位のお休み時期があった。
けれど、出光は美術館の作り自体にも思い出があって、ついに、あのビルも建て替えかあという少しだけの寂しさも感じる。
自分の思い出だけならそれほどでもないのかもしれないけれど、家族との思い出があり、また美術館に入ってすぐの外の眺め、皇居がわの眺めには格別の思い出がある。なので、かなり寂しいが仕方がないのだろう。
日比谷界隈は以前仕事で10年ぐらい通っていたことがある。その間にも昭和のビルはいくつも建て替えられた。その中には有名なビルもあった。
働いていたのはこの出光美術館の本当にご近所でふらっと出かけられるいい美術館だった。この辺りは道幅が広くて好きだった。数年前に行ってみたら、日比谷界隈、特に昔のシャンテがあった辺りはかなり変わっていてよくわからなくなっていたけれど、この帝国劇場周りだったら、まだ元のままのビルがあって懐かしかった。
そういえば、この辺りで仕事をしていた時、年に一回避難訓練があって、その時の火災シミュレーションではよく「劇場からの出火」というのがあった。懐かしいなあ。
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