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県営宮城球場が楽天イーグルスの本拠地として生まれ変わるまで 〜2004年冬の大改修〜
※当記事は2016年1月に「blog.sho-lab.com」へ掲載したものです。
記事内の情報は現在は異なる可能性がありますのでご注意ください。
プロ野球のキャンプインまで残りわずか。選手たちがユニフォームに袖を通す姿を、もうすぐ目にすることができそうです。
熱心な野球ファン、そしてイーグルスファンとしては、毎年恒例の久米島キャンプの様子が気になって仕方ありません。今年はついに、ニコニコ動画のプレミアム会員に入会することを決意。画面越しに選手たちの仕上がりをチェックしたいと思います。来年こそは、久米島に行きたいものですね…。
2016年、楽天イーグルスは大きく変わる!
パ・リーグ優勝・日本一に輝いた2013年以降、東北楽天ゴールデンイーグルスは2年連続で最下位に沈みました。巻き返しを図るべく、新監督が就任します。指揮を執るのは、大阪近鉄バファローズと北海道日本ハムファイターズをリーグ優勝へ導いた実績を持つ梨田昌孝さん。ダジャレ好きな野球人としてもおなじみですが、果たしてどのような采配を見せるのか、期待が高まります。
さらに、チームは大きな変革の時を迎えています。
千葉ロッテマリーンズからFAで今江敏晃選手が、広島東洋カープからは自由契約で栗原健太選手が加入。戦力強化を図るこのオフは、編成面で大きな変化がありました。
しかし、それ以上に変わろうとしているのが本拠地です。
Koboスタ宮城が変わる――芝も、ビジョンも。
楽天Koboスタジアム宮城(以下、Koboスタ)は、2016年シーズンから大きく生まれ変わります。
例年、Koboスタでは何らかの改修が行われてきました。他球場の改修と比べても、毎年のように“大ネタ”を仕込むのが特徴でした。
しかし今回は、その予想を遥かに超える大改修となりました。
見た目も鮮やかな天然芝が広がるフィールドは野球の原風景。青空の下、芝の匂いと風を感じながら試合を観ることで、野球の本質が堪能できます。また、左中 間後方の公園には、日本の野球場では初となる観覧車を設置。スタジアム演出も多様化し、新たな座席も誕生します。五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を 刺激するエンターテイメント空間で、多くの方に、本物の野球観戦を体感していただきたいと考えております。
一言で表すと…ボールパークへ!
普通の球場改修とは、何が違うのか? 球団発表の要点をまとめました。
人工芝から天然芝へ
バックスクリーン上のスコアボードが、全面LEDの大型ビジョンに
レフトスタンドには、日本球界初の観覧車が登場!
大きく、そして大胆に生まれ変わるKoboスタ。
その変貌ぶりに期待が高まります。
各施策は、3月25日(金)の開幕戦に向けて、現在も絶賛工事中です。
残念ながら、観覧車の完成は開幕戦には間に合わない模様です。
ゴールデンウィークあたりに完成したら、ぜひ乗ってみたいですね。
完成した際には、『行ってみた』カテゴリでレポートを書いてみましょうか。
イーグルス創設前の県営宮城球場
本題に入りましょう。今回は、2004年冬から2005年春にかけて行われた県営宮城球場の大改修の様子を振り返ります。
イーグルスが球団創設された当時、私は高校2年生でした。高校では新聞部に所属し、自由にカメラを扱える環境にありました。
「取れ高」を稼ぐため、仙台市内のさまざまな場所へ自転車で駆け回っていた記憶があります。部活動の一環として高校野球の試合を取材し、県営宮城球場へ何度か足を運ぶ機会もありました。
その際に撮影した写真を、今回アップしたいと思います。
2004年7月23日
創設前年は天然芝だった、県営宮城球場。
現在とは大きく異なる内野席の風景。内野指定B近辺は、コンクリートが敷かれただけの席で、夏の炎天下ではお尻が暑くなるほどでした。
広告看板はほとんど地元企業が出稿しており、ホンダの地元ディーラーや太子納豆、そば屋、閖上の笹かまぼこ店・ささ圭など、地元色がかなり濃かったです。
ベンチ上近辺の3塁内野席
当時はプラスチック製の長椅子が置かれており、背もたれ付きの椅子はバックネットエリアにしか設置されていませんでした。今季からはVIPシートが前方に設置されますが、ここまで変わるとは想像もできませんでした。
試合進行には欠かせないスコアボード
選手名や得点が手書きで書かれたボードを、人力で動かしていたのです。ボードを動かしていたのは、木村さんという男性で、球団創設時には地元ニュースで何度か取り上げられていましたね。今は元気にされているのでしょうか。
3塁内野席から引きで見た景色
2004年11月2日
先ほどの写真を撮影してから、およそ1ヶ月半後に状況は大きく変わります。
2004年秋に突如湧いた大ニュース。
ライブドアvs楽天による仙台新球団構想
堀江貴文さんのライブドアと三木谷浩史さんの楽天。
世論的には前者を応援する雰囲気がありましたが、私はどちらが選ばれても、仙台にプロ野球チームができることを嬉しく思っていました。
2004年11月2日、新球団が承認された日。すなわち、宮城県を本拠地とするプロ野球チームが生まれた日。
その瞬間を仙台駅東口の広場で迎え、多くの市民と一緒に喜んだ記憶があります。
一方で、これまでの県営宮城球場とお別れする寂しさにも向き合わなければなりませんでした。
2004年11月19日
改修工事の本格着手前に、球場を囲む柵ができました。
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2005年1月19日
年が明けてから、一気に工事が進行モードに入りました。
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2005年1月24日
既存の建造物を覆うように、「プロ野球養成ギプス」の建設が進められています。プロ野球の開催・運営が円滑に行えるよう、関係者用の詰め所や通路など、さまざまな用途を目的として作られていました。老朽化が進んでいた地方球場を「ギプス」で覆い、プロ野球チームの新たな本拠地として変貌を遂げる発想が面白いですよね。
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外野席のスタンド建設工事も着々と進行していました。
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2005年2月12日
新しいスコアボードの形や規模がはっきりとしてきました。
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2005年2月22日
仙台での本拠地開幕まで、あと1ヶ月少々となりました。外野席やスコアボードは大方完成し、バックネット裏の椅子はイーグルスカラーのクリムゾンレッドに変わっています。
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2005年3月1日
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2005年3月2日
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2005年3月11日
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2005年3月17日
敷地全体を囲っていた白い柵が撤去され、県営宮城球場の新しい全体像が見えてきました。
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2005年3月21日
県営宮城球場の改修工事<第1期>がついに完成!
わずかな期間で球場がここまで変わるとは、驚きを隠せません。
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今回の改修により、球場に命名権契約が結ばれました。東京の人材系企業・フルキャスト社が命名権を得たことで、新名称は「フルキャストスタジアム宮城」に。球場正面にはシンボルとなる看板が設置されています。
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2005年4月1日
待ちに待った、東北での本拠地開幕戦!
私はライト外野指定席で観戦していました。
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このときの仙台は寒かった。それでも球場に詰めかけた野球ファンの熱気はすごかった。長年「おらがチーム」を求めていた東北の野球好きにとって、その悲願が成就した瞬間だったのだろう。イーグルスの公式応援歌を歌うモーニング娘。のパフォーマンスや、堀内孝雄さん&香西かおりさんによる国歌斉唱、YOSHIKIさん&三木谷浩史オーナーがプレゼンターとしてアシストした、地元の野球少年少女による始球式などがあり、試合本編でも大いに盛り上がった記憶があります。
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肝心の試合本編は、16-5で名門・西武ライオンズに大差をつけて快勝!選手会長・礒部公一さんによる先頭打者ホームランを皮切りに、千葉での開幕以降湿り気味だった打線が大爆発。記念すべき仙台での本拠地開幕戦は、華々しい一戦となりました。この1勝が、これからの成長の糧となったことは、言うまでもありません。
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2004年に突如湧いた球界再編を契機に、杜の都に誕生した新たなチーム。プロ野球への参入決定から翌年の開幕に至るまでの僅かな期間で、よくもここまで仕上げられたなと感じました。そして、球場に詰めかけた大勢の方々が喜ぶ姿を目にして感無量になり、球場を後にした記憶があります。
これからも大きく進化し続けるボールパーク
県営宮城球場の大改修は歩みを止めない。高みを目指して進み続ける。これからも大きく進化し続けるボールパークになるでしょう。我々が想像もしないようなことが、今後行われるのではと思っています。
一体どうなるのか、どう変わるのか、一生を終えるまでワクワクドキドキしながら見守り続けることになりそうです。早く野球が見たいですね。