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【散文】夜はBUMPで朝は星野源だった

 2024年11月5日に放送された『第406回星野源のオールナイトニッポン』、夜明けをさみしいと感じるリスナーのお便りに対して、
「僕は夜明けはもう結構ワクワクしちゃうんだな。なんかあの、夜のイルミネーションはさみしくなるんだけど、あの、夜明けはなんかね、ワクワクしちゃってそのワクワクとともに作曲してるんで、なんかその、ノリノリではあるんですよね」と語った星野源。
 ラジオを聞いて、確かに朝の主題歌は星野源だと思った。

Baby  壊れそうな夜が明けて 空は晴れたよう

星野源『SUN』2015年

おはよう 世のなか
夢を連れて繰り返した 湯気には生活のメロディ

星野源『アイデア』2018年

目が覚めてよだれを拭いたら 窓辺に光が微笑んでいた

星野源『Family Song』2017年

 夜明けや「おはよう」で始まる曲をあげたらキリがないが、星野源の歌は朝を祝福しているようにも思えるメロディや音の重なりがあるように思える。
 「地獄でなぜ悪い」「解答者」「恋」などは夜を描いてはいるのだが、私は夜の向こうの朝を認識するための夜が歌われているように思えるのだ。

 一方で、夜そのものを歌うのがBUMO OF CHICKENだ。

カーテンの内側限定のため息 愛読書みたいに並んでしまった独り言 
痛くないことにした傷に 時々手を当てながら 一人で歌うよ

BUMP OF CHICKEN『窓の中から』2023年

闇雲にでも信じたよ きちんと前に進んでいるって 
よく晴れた朝には時々 一人ぼっちにされちゃうから

BUMO OF CHICKEN『なないろ』2023年

 私の趣味嗜好が伝わりそうな選曲である。BUMPが歌う夜もあげたらキリがないだろう。

 BUMPは夜を肯定してくれる。孤独であることを肯定してくれる。他方、人々が動き出し、繋がりを肯定するのが星野源である。

 このふたつで私は生きている。


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