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子どもがみるみる変わっていく関わり方ができるようになるまで〜教師観が180度変わる!激動ストーリー〜

「学校行きたくない」


子どもみたいにこうつぶやくのは
二校目に異動した最初の年。


5年生の担任だった私でした。


何もかもを
初任校の子どもたちと比べてしまい
できないことばかり
目がいってしまったんです。

教室に行きたくない。

それでも行かなきゃいけない。

人って意外と病まないものなんだな。


一体どこまで追い込まれたら
休んでいいんだろう?

なんて考えたりもしました…

私の言うことなんて
聞かない子どもたち。


高学年ともなると
言うことを聞かせるのも大変。


来年は絶対に持ち上がらない。


高学年も嫌。



私は1年生を希望する!と決めました。

翌年、希望通り1年生の担任になりました!


小学校への期待に胸を膨らませて
登校してくる子どもたち。


右も左もわからなくて
牛乳のストローも挿せなくて
机の運び方も知らない子どもたちでした。


毎朝教室に入ると、「せんせー!!」と
あらゆるところから聞こえてきます。


一度にそんなに聞けないよ!と
思いながらも
慕ってくれることが
嬉しかったことを覚えています。

毎日「今日は何をするのかな?」と
目を輝かせている子どもたち


私も、

今日は校庭デビュー!

明日から給食も始まるぞ!

と、子どもたちの「初めて」を
共有できることに喜びを感じました♪


去年とは気持ちの持ちようが
全くちがっていました。


「やっぱり子どもってかわいい!」
と、仕事のやりがいを
取り戻すことができたのです!

…と、のんきなことを言っていられたのも
最初の数日だけ。


なんだか、あの子、
毎日友達とトラブルを起こしてる…


✅イラっとしてパンチした

✅わざとじゃない。

✅間違えてやっちゃった。

✅戦いごっこのつもりが当たっちゃった

子どもたちから
「あおたろうくんが…」と
その子の名前が出てくると


また?

次はなに?

どうせ悪いのはあおたろうくんでしょ。


と、イライラしてくる自分が…

そういう子なんだよ。


周りの子も近づかなければいいのに…
とすら思っていました。


入学早々、こんなに毎日トラブルを
起こすなんて、
この子はなんとかしないとやばい!


保護者にも言わないと!!!


正直、こちらの怒りをぶつけたい
気持ちもあったんです…


こんなに手を出すなんて、
これまで一体どうやって育ててきたんだ!

まだ入学から2週間。


このままじゃ
毎日聞き取りをしないといけないし
周りの子がすでに
この子は悪い子と思い始めている!


2週間でこれなんだから
これからもっと悪化するに
決まってる!


いくつかのトラブルの状況を説明し
指導した内容を伝えました。

保護者からの反応は…


「わかりました」の一言のみ。


ん?それだけ?


この保護者は事の重大さを
わかっていない!


だから子どもも
ヘラヘラしてるんだ!

さらに後日…


校内で会った保護者は驚愕の一言を。


「この間はお電話ありがとうございました。
 子どもに聞いたら相手の子は
 嫌がってなかったと言っていました。」


…。

嫌がってないように見えただけじゃない?


都合のいいように見ただけじゃない?


大袈裟だって言いたいの?


一気に頭の中に?がいっぱい浮かんだ。


怒りMAX!!!!

わかった。


こんなこと言えてしまう保護者だから
子どもも簡単に手を出すんだ。


あの子はすぐに手を出し
トラブルをよく起こす子


保護者も手を出すことを
大したことだと思っていない


だから子どもも悪いことをしている
意識がなくて、繰り返してしまう


保護者も子どももなんて人たちだろう。

学習が本格化してくると
さらなる課題が見えてきました。


✅座っていられない。

✅大きな声を出す。

✅注意すると逆ギレ。

✅「やりたくない」を連発。


毎日、どころか
ほぼ毎時間、何かが起きる!!!


いちいち指導するのも
身体と心の体力を削られる…

去年のことがフラッシュバックしました。


え、また、ストレス抱えながら
授業する日々に戻るの?


1年生でも5年生でも
変わらないってこと?


どの学年にも大変な子どもが
いるのは変わりない。


✅トラブルを起こす子

✅暴言を吐く子

✅人を見下す子

✅話をしても
 懲りずに繰り返す子。

一番嫌なのは
人を見下した物言いをするところでした。


これが本当に私の心に刺さるんです。


自分に向けられていなくても。


どうしてそんなこと言うの?


そんな言葉の飛び交う空間に
いたくない。


この仕事もう無理かも。

ある日。


いつものように、周りの子から
「あおたろうくんが…」と
訴えがありました。


いつもはやられた子と
あおたろうくんと
両方呼んで話をしていました。


だけど、
あまりにも回数が多くて。


良い加減にしてほしくて。


あおたろうくん
一人とじっくり話をすることにしました。

「なんでパンチしたの?」


「だって僕が近くにいったら
 逃げたから。」


「逃げられたのが
 嫌だったんだ。」


「うん。
 だって、ぼく
 何もしてないのに。」


あおたろうくん、悲しんでる!


そうだったのか!


やられている子が悲しんでいる
とばかり思っていたけど
手を出してしまった
あおたろうくんも
悲しんでいた!


これまで全く気づきませんでした。


私は衝撃を受けるとともに
あおたろうくんに
申し訳ない気持ちになりました。

あおたろうくんにだって
彼の言い分がありました。


でもその言い分が言葉にならず
全部手や足で出ちゃうから
最後は怒られる側。


言い分は聞いてもらえない。


小さい頃からずっとそうだったの?


だとしたら、
ずっと怒られてきて
しんどかったんだね。

このまま怒ってばかりじゃ
何も変わらない!


何か変えないと
問題がどんどん大きくなって
周りの子も崩れ始めるかも…


そうなったら学級崩壊!


それだけは阻止せねば!


まずは子どもの気持ちを聞く!
と決意しました!

そう言ってみたものの…


1年生にとっては
人にわかるように気持ちを
伝えること自体が難しい。


話してくれたとしても、
「え、たったそれだけ?」
「なんだ、そのわがまま?」
と思うことも多々。


だめだ。わからん。


1年生の気持ちなんてわからない!

日中、なんとか気持ちを理解しようと
話を聞いて聞いて聞いて…


でもやっぱりわからなくて
放課後、学年の先生たちに相談。


すると、共感の嵐。


どのクラスも大変そう。


わかってくれることが嬉しくて
話は盛り上がりました。

だけど、それだけ。


どうしたらその子の状況が
変わるのかは一向にわからないまま。


よく考えるとこれは相談ではなくて
ただの愚痴だったんです。


何の解決にもならない。


むしろみんなで愚痴をぶつけ合う分
怒りや嘆きなどのネガティブ感情も
何倍にも膨れ上がる。

そんなとき、
しばらく会っていなかった
高校の友達に会うことになりました。


とにかく話を聞いてほしくて、
その子にもぶわぁー!っと
日頃のトラブルを
そのときの感情と共に話しました。


すると、友達は
「それ、なんでだめなの?」
と言ったんです。

私は目が点に。


え、だって
授業中立ち歩くなんて…


友達にも迷惑かけてるし…


トラブルばっかり起こしてたら
友達いなくなっちゃうし…


気づくと必死に言い訳を探している私。


明らかに焦っている。

一緒に教育を学んできた大学の友達は
先生の大変さを知っています。


だから、少し話しただけでも
それがどれだけ大変なことかと
理解し、共感してくれました。


でもその友達は
教育業界に関係ない道を進んできた人。


普段私の周りにいる人とは
違う道を通ってきた人。

「みんな同じようにできなきゃだめなの?」


友達は続けました。


そう言われると…
鼓動が速くなるのを感じました。


え、私の考えって間違ってるの?


なんだか、知らないところに
急に一人取り残されたような…
大きな不安が襲ってきました。

軍隊のようなクラスを
作りたいわけではない。


でも、集団で過ごす以上
守らないといけないルールがある。


それを守れないことは問題なはず。


だけどもしかしたら…
「これが正解」
「これ以外は不正解」と決める
必要はないのかもしれない…

今まで、子どもが大変だという話をすると
みんな
「先生って忙しいよね、大変だよね」と
言ってくれたんです。


いつしか自分自身も


「忙しいんだ、大変なんだ。」


「私はよく頑張ってるんだ。
 それなのにうまくいかない子は
 もう私の問題ではなくて
 その子が悪いんだ!」


自分を正当化していたことに
気づきました。


「みんな同じ」「みんなお利口さん」
なクラスを作ろうとしていて
それに当てはまらない子は
その子と保護者の責任、と決めつける。


なんて自己中な先生なのだろう…と
自分自身が怖くなりました。

みんながみんな
私の思う通りの子どもではない。


私の決めた「こうあるべき」に
子どもを当てはめてはいけない。


よく聞く
子どもの個性を受け入れるとは
そういうこと。


心の中で次々に扉が開き、
新たな発見を届けてくれた
ような感覚になりました。

友達の言葉が耳に残る。


「それ、なんでだめなの?」


この言葉が耳に残っているうちに、
この勢いで、やるしかない!


これまで、そんなこと
言われたことがなかったんだから!


「大変だよね」


「子どもに課題があるから…」


「保護者の理解がないと…」と
先生を正当化し、
子どもや保護者のせいにする毎日。


毎日過ごすそんな場所では
またすぐに元の考え方に戻ってしまう。


それがどんなに恐ろしいことか。


今の私にはわかる。

変えるなら今!


働き出して8年経って
初めて出会った考え方なのだから!


ここで変われなかったら
これからもずっと
子どもや保護者のせいにしてしまう。


「みんな同じ」の中に入れなかった子は
その子が悪いと言い続ける。


それでは子どもも反抗してきて
さらに関係が悪化するばかり。


子どもは先生の用意した枠に
押し込められて
どんどん窮屈になる。


さらにクラスに居づらくなって
行動がエスカレート。


そんな毎日を過ごすのは
もうごめんだ。

私がこの世界に入って8年目。


明らかに、
課題をもつ子は増え続けています。


一人で30人以上見る中で
個別の指導が必要な子が
数人いることは本当に大変なことです。


大変だから…とずっと言い訳を
していては
子どもも先生も救われない!!!

ここで変われなかったら
私のせいで子どもは苦しくなって
さらに問題行動を起こす。


私はその対応に追われて
余裕がなくなり
もっともっと枠に押し込めようとする。


そんな毎日は卒業する!


私の気持ちは固まった!


ここで、考え方を変えるてやるんだ!
と、心の中で力強く叫んだ!

次の日、
私はとにかく自分の感情を抑えて
子どもたちがどんな行動をするのかを
観察しました。


すると、
問題のある行動だと思っていたことが
実は大きく2つに分けられることに
気づいたんです。


一つは、
友達に手を出したり
授業中に立ち歩いて友達を邪魔するなど
友達を傷つけるもの。


もう一つは、
「やだ」などのネガティブ発言や
「〜じゃねぇか」などの乱暴な言動など
私が「よくない」と思っている
だけのこと。

「こっちは、
 別にダメじゃないんじゃない?」


これまであれもこれも気になると
頭の中いっぱいに広がっていた
出来事を二つに分けることができた!


あれ?
自分が悩んでいたことの半分は
私が気にしすぎていただけだった?


気にするのをやめればいい。


もう解決したも同然のこと。
急に心がクリアになりました!


やるべきことがわかり
視界がパッと開けた感じ!

さらに
どうして子どもがそういう姿になるのかを
考えてみました。


よりよい方法を知らないから


自信がなくて不安な思いをしているから


周りの環境が整っていないから


など、その子自身が私が思っている以上に
困っている現状が見えてきました。


それを踏まえて指導の方法を変えることに。

これまでは、友達をパンチしたとき、
どうしてパンチしたのかと聞き取りをし
「ごめんね」を言えるように
指導をしてきました。


それを
「ぼくは~って思ったんだよ。」


自分の思いを表現させること
大事にしてみたんです。


お互いの言いたいことを伝え合うと
私が促したわけでもないのに
子どもは素直に「ごめんね」と
言って、すっきりした顔をしていました!

私の声かけで子どもの行動が変わる!


そう思うと、
今日はなんて言ってみようかな?と
声かけのバリエーション
自然と考えるようになりました。


すべてがうまくいくわけではないけれど
不思議なことにピタっとはまることも
あって
これまでとは子どもの反応が
全く変わっていました。


これにはなんだか拍子抜け。


あれ、怒るんじゃないの?
駄々こねるんじゃないの?
と思ってしまうほどでした。


こんなにも効果があるものなのかと
驚きました!!

あのまま、どの子も同じように
できるようにしないと!と
指導を重ねていたら
きっと去年のように
離れていく子どもがでてくる。


そうでない子にも、
実は心の奥ではびくびくしながら
小学校生活を送らせることに
なっていたかもしれない。


そんな先生から変われて本当によかった!

自分の理想は捨てる

子ども本人が困っていることこそ、
 本当に解決しないといけない課題

課題にスポットを当てて
 関わり方を考える


そうすることで、
必要以上に子どもに求めていたことに
気づける!!


本当に解決しないといけない課題
見極めることができる!!

まずは今すぐ、
先生が勝手に抱いている
理想像を捨てましょう!


そして、
どうしても解決しないといけない課題
冷静に見極めましょう!


課題に合わせて、
目の前の子どもにかける言葉
選びましょう!


そうすれば子どもの姿が
どんどん変わっていきます!


先生が考え方を変えることで
子どもの行動が変わる
表情が明るくなる!

教師という仕事を選んだあなたは、
子どもたちの幸せな未来を願って
日々子どもたちの前に立っているはず!


でも、日々の忙しさや大変さに
埋もれてそんな気持ちがだんだんと
弱くなっていってしまう…


自分一人でこの壁に立ち向かうのは
正直しんどいのが実情。


子どもへの関わり方を
一緒に考えていって
子どもも先生も安心・居心地の良いクラス
つくっていきましょう!

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