土石流当日の記憶。

①初めに

今回は生存確認も兼ねて、今までとは少し違って、土石流当日のことを書き殴った文章を公開する。書き殴っただけなので、文章がおかしいとこもあるかもしれませんが、大目に見てください。

②書き殴った文章

もう5メートル先には生きている土砂が、まるで感情を持ち、怒り狂ったように迫り来る土砂が迫っていた。
僕は土石流の話を聞いて、様子を見に行こうとした。だが止められた。自宅にはまだ母親と祖母が残っていたので自宅へ戻った。
自宅前の駐車場に母親はいた。祖母を助けようとした。土砂が5メートル先には土砂があった。
そして僕は祖母を助けられないと悟った。母親に「祖母はしょうがないからこっちに来い!」と強い口調で言った。
母親は来ようとしなかったが、何度も何度も母親に訴えた。「祖母はしょうがない」というのはとても辛いことだったが、
仕方がないことだと思った。少し大きな音がしたため母親を無理矢理引っ張った。そして母親はスマホを落としてしまい、
財布すら家に置いたまま、僕はスマホは持っていたが、それ以外は何も持たずに、親子ともに着の身着のまま逃げてきた。
父親と兄は仕事中だったが、電話をかけて急いでこちらに来てもらった。悲しい、怖いのに涙が一滴も出なかった。
本当に命の危機を感じると涙すら出ないのだとわかった。これからどうなってしまうのか、祖母は生きて帰ってくるのか、
いろいろなことが脳裏をよぎった。僕はまだ子供で、母親は外国人。なので日本人の大人である父親と兄に手続きを任せた。
その後、父親の勤務先のホテルに避難した。そこで金城館に移るまでは過ごした。一年以上経過しているが、肉眼で見た土砂、
その光景、その時の音、その時に放った言葉、全てが鮮明に頭に残っている。ここまで恐怖を感じたのはこの時が初めてだった。


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