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【TXT】年末年始ステージから物語の振り返り考察

年末年始、感動的なパフォーマンスをたくさん披露してくれたトゥバのステージから、物語の振り返り考察をしてみようと思います。

※小見出し1,2,4の内容を一部加筆修正しました(24/1/18)


三大バレエから、あの名組曲がモチーフに

先月25日の『SBS歌謡大祭典』。オルゴールの上で踊る雪の精のようなヒュニンカイのパフォーマンスや、おもちゃの兵隊を思わせるダンサーさん達とともにステッキを使ったボムギュ、華麗なトランプマジックのテヒョンなど、クリスマスらしい幻想的なパフォーマンスに心奪われましたね。

また、先日は休暇中のヒュニンカイがエックスに北海道のクリスマスツリーの木とともに写した写真を上げてくれて、これもネタバレではとついつい深読みしてしまうのですが、あのステージは間違いなく、チャイコフスキーのバレエで有名な『くるみ割り人形』がモチーフだったのでしょう。

そうそう、くるみ割り人形のネタバレと言えば─。

昨年8月に、コンビニでトゥバとチョコレートのコラボキャンペンがありましたよね。ラインナップにくるみはありませんでしたがアーモンドチョコをはじめ、ピスタチオ、マカデミアナッツときて、ヘーゼルナッツ。
くるみ割り人形のバレエはホフマンの原作を元に改編した、デュマ親子の合作による「はしばみ割り物語」が下地になっているんですが、はしばみってヘーゼルナッツのことなんです。サーティワンアイスとのコラボは楽曲「Forty One Winks」のヒントになっていた気がしますし、いろんなナッツが入ったチョコレートとのコラボ企画も「くるみ割り人形」のヒントだったんじゃないかなぁなんて思っています。

1. 「くるみ割り人形」のテーマは愛

物語には幾つかのパターンがあるようですが、基本は主人公のクララ(またはマリー)がクリスマスの日に、呪いをかけられたくるみ割り人形とともに不思議な夢の世界を旅して、本当の愛を見つけるというもの。

くるみ割り人形はクララから授かった剣によってネズミの王様を倒すと、2人は氷砂糖の野原やクリスマスの森、オレンジエードの川などを通ってケーキの宮殿へと向かいます。

氷砂糖の野原と言えば『The Name Chapter: TEMPTATION』収録の「Tinnitus(wanna be a rock )」と「Sugar Rush Ride」から、ロック+シュガーでロックシュガー=氷砂糖になりますし、オレンジエードの川はそのまま「Blue Orangeade」に引用されたのではないでしょうか。

トゥバの物語には全体に、「くるみ割り人形」も重要なモチーフとして織り込まれていたことが、ここからわかります。

夢から目を覚まし、現実へと戻ったクララがくるみ割り人形に「心からあなたを愛している」と告げると、夢の中では呪いをかけられていたくるみ割り人形が、現実世界では青年として登場し、クララに求婚─というのが多くの筋書きのようです。

今アルバム全体にモアへの求婚のようなスイートな歌詞が散りばめられていたのも、そんなテーマや物語が背景にあったからなのでしょうか。

2. ファンダム名が物語の中に?

ここでディズニー映画『くるみ割り人形と秘密の王国』(2018)にも注目してみましょう。この映画、セリフにも注目すると「エンジン」や、「アーミー」(※字幕版)が聞こえてきます!  そう、ENHYPEN や BTS のファンダム名! 映画公開が2018年なので、当時 ENHYPEN はまだ結成されていませんでしたが、もしかしたら、パンPDはこの映画を観て、くるみ割り人形をトゥバの物語のキーモチーフにしようと決めたのかもしれませんね。

アーミーやエンジンの名が出ていたことから、もしかしてモアも出てきたりして?と期待しながら映画を見直してみましたが、それらしきセリフは出てきませんでした。。。
が、2014年に公開されたサンリオ製作のアニメ映画「くるみ割り人形」では、クララの愛によって呪いがとけたフランツ王子が彼女に求婚するセリフに「僕たちふたりのお城、永遠にふたりのものだよ」とあります。

ひょっとして、ひょっとしたら…このセリフからモア(Moments Of Alwaysness: TXTとファンが共有するどの瞬間もいつも永遠であるという意味がこめられている)の名が候補に上がったのかな? もしかして、「ふたりのお城」も、アルバム名をサンクチュアリにした理由のひとつ? な~んて想像しちゃいます。

そういえば、最近公開された雑誌『MAPS』のテヒョン撮影ビハインドには、同じサンリオからクロミのヘアピンがヘアメイクの準備に使われていましたね。これももしかすると、ネタバレのひとつだったりして(クロミ⇒クルミ割り)?!  何の違和感もなくかわいらしく馴染んでいるあたり、さすが!!と思ってしまいました。

余談ですが、雑誌『MAPS』ではテヒョン以外のページにも「クーフーリン」(トゥバの物語のなかでのヨンジュンの真名)を思わせるような写真があったり、どうも、物語のヒントをいくつかしのばせた’地図’にもなっているような気がします。

そういえば、チャイコフスキーの作曲当時、「くるみ割り人形」と二本立てで公開が準備された同氏作曲のオペラ「イオランタ」は王様の名前がルネ。こちらは、&TEAM のファンダム名と重なるところが興味深いですね。

以前に、HYBE所属のグループの曲が夜空の星座のようにゆるやかに世界観が繋がりあっているよう、と書きましたが、「くるみ割り人形」はそんな背景も示してくれているのかもしれません。

3. クリスマスプレゼントを開けるカギを追っていくと

映画でクララは、名付け親のドロッセルマイヤー氏から、亡き母マリーのプレゼントを受け取り、開けてみるとそこにはカギのかかった卵型の容器が。

そのカギ穴は6枚の花びらのような星のような形で、モア棒の円形に重なったTXTのロゴの形にもどこか似ているよう。。。それに卵といえば、トゥバの楽曲モンスター「Can't We Just Leave The Monster Alive?」に登場していたイースターエッグが思い出されます。

숨어있는 Easter egg, yeah baby I'll find that
隠れたイースターエッグは、よし、僕が見つけるよ

「Can't We Just Leave The Monster Alive?」歌詞より

クララは卵を開けるカギを探し、中庭にあった自分のネームタグに繋がれた(*この辺もチャプター名や楽曲名とのリンクを思わせますね)をたどるうち、クリスマスパーティーが開催されたドロッセルマイヤー氏の館の長い廊下から、クリスマスツリーの森へ入りこんでしまいます。
トゥバの「Eternally」 MVでも、スビンが練習室の長い廊下の先に、異次元をくぐり抜けて星祭りの会場へと迷い込む場面があり、くるみ割り人形の物語とも重なっていくよう。

さらにカギを追って、クララは凍りついた川にかかった橋を渡ろうとするのですが。その先には、「遊びの国(Amusement Realm)」という、口にすることさえ禁じられてしまった第4の国があるのです。

ここでも、トゥバの物語がリンクしていることに気づかされます。

大みそかの『紅白歌合戦』では日本語版「5時53分の空で見つけた君と僕」のステージが披露されましたよね。

本国版「Blue Hour」が収録されたのは『The Dream Chapter』の3つのアルバムに続く、4番目のアルバム『Minisode1: Blue Hour』。ミニソードとは、チャプターとチャプターをつなぐ、ブリッジ(架け橋)のような存在だと以前に紹介されていたと思います。

そしてタイトル曲である「Blue Hour」のMVにはメリーゴーランドが登場していますが、映画の中でドロッセルマイヤーは彼の館で、メリーゴーランドのおもちゃを見せると「逆回転しかしないんだ」と、母親ゆずりの理系女子クララに助け舟を求めていたのですね。

映画がヒントだとわかれば、トゥバの物語が過去へ逆行していると気づく仕掛けだったのでしょう。

そして、アルバム『Minisode1: Blur Hour』といえば、5人それぞれがプレイヤーネームとともにキャラクターが紹介されたコンセプト「VR(仮想現実)」なんていうのもありました。5人がつけていた衣装は、雪の精花の精王子様兵士謎の手品師ドロッセルマイヤーのようにも見えて、”くるみ割り人形”の登場人物たちを思わせます。

4. 眼帯やウィンクから読み解く大切なメッセージ

過去、ヒュニンカイがアルバム『The Dream Chaoter: MAGIC』期(ここでの眼帯は結膜炎を保護するためでしたが)や『Chaos Chapter: FREEZE』のコンセプト「WORLD」、『Minisode3: TOMORROW』のメンバー別コンセプトトレーラーで眼帯をつけていたり、スビンも2022年の年末『KBS歌謡祭』ステージで眼帯をつけていたことがありましたね。

くるみ割り人形で、手品師や発明家としてストーリー進行の鍵を握るドロッセルマイヤー氏は、片眼に眼帯をつけた姿が象徴的。ヒュニンカイやスビンの眼帯は、トゥバの物語の背景にくるみ割り人形があることを、それとなく何度か伝えてくれていたのですね。

ところが、それだけではありません。ドロッセルマイヤーの”片眼の眼帯”からは、ハッと気づかされることがあるのです。

サンリオ版・映画『くるみ割り人形』では物語の前半、ドロッセルマイヤー氏がクララに、こんなナゾナゾを問いかけます。

目をつむると見えて、目を開けると消えるもの、な~んだ?

すぐに答えがわかったかもしれませんが…
『Minisode3: TOMORROW』に収録の「Miracle」の大好きなサビや「Dreamer」の歌詞にも、ヒントがあります。

〈Miracle サビ〉
瞳をとじれば心に映る明日
ワン・ツー・スリー みっつ数えれば広がる
ワン 君なら ツー あまりにも スリー
待ち遠しい 明日という 奇跡が

1行目の "두 눈을 감아야 보이는 tomorrow" (直訳「両目を 閉じないと 見えない 明日」)を、和訳では「瞳をとじれば心に映る明日」としてみましたが、夢を見てこそ、暗闇が開けてこそ、うれしい明日(未来)がやってくる─そんな想いもこめられているように感じました。

〈Dreamer〉
夢を見ない大人と夢しかない少年
ありふれた別れ道のはざまにいる僕はグレー
暗くなっても星の光はさらに輝く
あの光を追って、もう少しだけ成長してみるよ

そう、目をつむると見えて、目を開けると消えるものとは、「」です。

つまり、ドロッセルマイヤー氏がなぜ眼帯をつけているかというと、目を閉じると見える夢の世界と、目を開けると見える現実世界ふたつの世界に通じる案内人だということを象徴していたのでしょう。

そこには、The Name Chapter の考察でも書いたのですが、
夢を、生きた夢として見つめよう
というメッセージがこめられていたのですね。

また、今アルバムにラインナップされた「Forty One Winks」が、音楽番組で「Over The Moon」とともに披露されたのも、41回めのウィンクは目覚め(大人への成長)のサインという意味だけではないのでしょう。

ウィンクも片眼をつぶる仕草であることから、夢も現実も、どちらもたいせつにして共に生きようというモアへのエールや、『Minisode3: TOMORROW』のテーマでもあった目には見えなくても大切なものがある(夢だけでなく、大切な人との出会いや絆、愛、日々の暮らしなど…いろいろありますね)。

さらに、トゥバの物語全体に鏡や水面が多用されていることからやはり、目に見える事実だけが真実ではない。物事には表と裏の二面性(あるいは多面性)があるなど、物事を一面だけで判断してしまうのではなく、背景や理由を知ればもっとお互いに理解しあえるよと、伝えてくれている気がします。

他にも、人間関係を円滑にしたり自己肯定感を保つために、ひとや自分の長所を見つけて、少しぐらいの短所は目をつぶろう(大目に見よう)というメッセージもこめられているのかもしれません。

さてさて。映画「くるみ割り~秘密の王国」のフィナーレでは、パ・ド・ドゥ(男女2人で踊るバレエの見せ場)へと続く男性のソロダンスがあるのですが、5日に披露された『GDA(GOLDEN DISC AWARDS)』ステージでのラストのダンスブレイクは、このソロダンスからのオマージュでもあるのではないかなぁと感じました。

長くなりそうなので、次回へと続きます。


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