『イエスマン』感想レビュー。10代20代は絶対見るべき。50代はいいや。
『イエスマン』感想レビュー。10代20代は絶対見るべき。50代はいいや。
2008年に公開された映画を今になってはじめて見た。12年前といえば僕はちょうど中学生くらい。当時話題になっていた気がする。その程度の知識。
それはそうと、最近『ブログの参考書』をnoteで売り出した↓
「お前もそうなるのか」と、なんだか怪しい人たちの仲間入りをしたような感じがしてならない。
だから「そうじゃないよ。僕はコラムとかエッセイを書くのが本業だよ」と、アピールがてらにこれを書く。にしてもなんでそんな無駄話をしたか。それは本題につながる↓
イエスマン感想レビュー
この『イエスマン』は主人公のカールが、
『すべてにおいて返事はYESで答える』
という映画だ。僕もそれは見る前から知っていた。しかしなぜ『YES』で答えるようになるのか。そのきっかけこそさっきの怪しい商材屋の前置きにつながる。
実はカールがイエス(面倒だからカタカナで打つよ)と答えるようになったのは、今でいうところの『サロン』『セミナー』だ。
今でこそ〇〇サロンなんてのがビジネスとして乱立しているが、12年も前からどうやらそういうのはあったようだ。じゃあカールはなんのサロンに入ったかというとそう。
『何事にもYESと答えるサロン』
イメージとしては宗教に近い。イエスが絶対なのだ(キリストじゃないよ?)。紛らわしいけどほんとイエスが神なのだよ。NOなんて口にしたらサロンの全員から、皮を剥がれるんじゃないかという勢いで攻められる。
ふと思ったけど、Youtube講演家の鴨頭さんと雰囲気が近いかもしれない。イエスサロンのようにポジティブだし、あっちは『いいね!!』が合言葉でしょ?『イエス!!』と似てる。あ、さてはあの人この映画見て閃いたでしょ。
そんなサロンに友人の紹介でなんとなく足を運んだカールはずっと『イエス』と答える。たとえばだけど君は僕にこう言われたらどうする?
「この短編小説集を買ってくれないか?↓」
そしたら君は当然Noというんだろうな。
(冷たいな。500円なんだから良いじゃん。買ってよ〜。無料のお試しもあるからせめてそれ読んで?)
でもカールは違う。当然『YES』と答える。もしも僕が調子に乗って「じゃあこっちのマガジンも買ってよ↓」
と、言ったらばカールはイエスと答えて、妥協しながら3,500円僕に払う。事実、カールはこのようにして作中で、ホームレスに所持金をすべて持ってかれた。まだ物と交換する僕の方が良心的なのである。
ふつうしないよね? 所持金を全部ホームレスにあげるんだよ? Noというどころか相手にしないよ。でもカールはイエスと答える。なぜならそのサロンに影響されたから。
といっても別にカールは洗脳されたというよりも「騙されたと思って」という気持ちが強かっただろう。そしてほんとうに騙されるわけだけど、さっそくイエスと言った効果が出るのだがそれは本編を見てくれ。
人間万事なんとやら
人間万事塞翁が馬という言葉がある。学校の教科書で何度か出会うんだけど、会うたびに意味がよくわからないやつだ。
けどこれとても良い言葉で僕は好きな言葉と聞かれたらこれを答える。そのたびに「意味なんだっけ・・・」となる相手の顔を見るのが面白い。
・・・いや、冗談だよ?
人間万事なんとやらの意味は、
「一見悪い状況も、良いことに転ずるかもよ」
的なイメージでいい。
「これが良いことか、悪いことになるか。そんなのわからない」
そんな感じ。
だから今コロナとか災害で苦しいけど、人間万事塞翁が馬。これが悪いことだとは限らないよ。てな感じで使うんだけど『イエスマン』はまさにそんな映画。
ホームレスに車を貸して、所持金をあげて山の上でガス欠。歩いてスタンドに向かうけど、そこで出会ったのは運命の人的なね。
なんでもイエス!イエス!イエス!と、答える人生ってのは確かに広がっていく。誘いを断らないってことは、何かしらのイベントが発生する確率があるんだもん。昔の恋人とエンカウントすることも当然ある。
仕事でも嫌なことをイエス!イエス!イエス!と引き受ければ、上司に評価される可能性がある。とにかくnononoと言っている人生よりかは、
何かが起きる可能性が圧倒的に高い
しかしその何かが良いことなのか、悪いことなのか。これは後にならないと分からない。その時は良いことでも後でも悪いことになる。その逆もまた然り。
イエスマンは先も展開も人生のように、まるで読めないのでなかなか見応えがあった。
イエスマンはコメディ映画
イエスマンはビジネス映画かと思ったが、これコメディなのだ。だから笑って見れる。とても見やすい。だけど僕はこれが『ビーン』と同じジャンルには思えない。
イエスマンはとても深い映画だ。
10代20代は絶対この先、この映画が役に立つ。
試しにイエスイエスと何事にも答えると良い。
たとえバイト先のおばさんとホテルに行く流れになってもイエスだ。実際カールは似たようなことを作中でしているんだから、君もイエスと答えないとカールがかわいそうだろう?
ちなみに実は僕は、この数年間1つマイルールがあって「人からの誘いを断らない」というルールで生きている。そもそも誘いがない人生だからそうしたんだけど、これはまさにイエスマンと同じ。
実際断らないと良いことの方が多い。
まず、絶対的なメリットとして『人から頼られる』『必要とされる』。もちろんこれがデメリットになる人間もいるね?だけど人間人から求められるっていうのは、嬉しいもんだよ。
僕は暇人ではないんだけど、暇人のフリをしている。だってそうすることで、
いつでも誘いやすい人間になるからだ。
いつでも誘いやすい人間には何かイベントが転がり込んでくる。これはビジネス的にも役立つと思うのでぜひ実践してほしい。
「暇人を装う」
「誘いを断らない」
「ばばあとエッチするはめになってもイエスという」
さあ、三つの中からできそうなものを選びなさい。
50代はいいやって言ったけど、正直このカールも50近いんじゃないかな。もっと若いかな。30とか40か。だったらまだ間に合うね。イエスと答えることは何歳でもできる。
ではじめにほら、このnoteに『スキ』してくれよ。返事は決まっているよね?そう、『イエスだ』。
イエスマンのおもしろいところ
少し本編に触れていく。
この映画どこを見ても「良くできてるな〜」と、作家目線でも感心した。伏線も何もかも完璧。無駄な設定がまるでない。特によかったのが主人公カールの職業。
銀行員の彼は融資を受けにくる人たちの命運を握っている存在。カールはそれまでめったに融資に許可を出さないケチだったのだが、例のサロンに参加して以降、
全ての融資にイエスと答えた
つまり全件承認。ふつうに馬鹿である。こんなことしたらクビ。途中で呼び出される。とまあそんなマジレスはおいておいて、この流れが個人的に面白かった。
ふつうのサラリーマンがイエスと答えても、サッカー選手がイエスと答えても、バンドマンがイエスと答えても、特に面白くないだろう?だけど普段イエスと答えにくい立場の職業。そう、銀行員がイエスイエスと言うのはシナリオとしてとても面白い。
イエスイエスと融資を承認しまくった銀行員が結果どうなるのか。ぜひ本編で見届けてくれ。
結局何が言いたい映画?
イエスイエスばかり言って、まるで奴隷になれっていうのか?と、思う人もいるんじゃないかな。実はその感想、僕は一番的確だと思ってる。
この映画は結局のところ、
『とりあえずイエスと言う』ことを推奨しているわけではないはず。
怪しいサロンの教主の言うことを間に受けて、まるでロボットになったらどうなるのか。それがこの映画のオチの場面だったはず。
作中でも触れるけど、
『そのイエスは本音?それともルールだから?』
という問いかけがとても深い。イエスイエスばかり言ってるイエスマン。自分の意志はどこにあるの?と、風刺しているようだ。
キャラも言っていたけど『自分で決断するのが大切』。これに尽きるんじゃないかな。
思考停止にならず。
指示待ち人間にならず。
自分の意思で決断する。自分の意思でイエスという。そしてある時はノーという。そういう人間になってほしい。
これがこの『イエスマン』のメッセージじゃないだろうか。日本人には特に刺さるはずだ。てなわけで全員みろ!
・・・って、言われた時にまず自分で考えて決断しようね。ということさ。
イエスマン小ネタ
『saw』という映画は知っているだろうか?sawシリーズだ。知らない人は見なくて良い。僕は4まで見たけどあれは見るなら1が最高。それ以降は好きなら見れば良い。
そういう映画があるんだけども、実はジグソウがこのイエスマンに出てくる。といってもその、トビン・ベル──に似てる人↓
写真の彼はテレンス・スタンプという役者なのだが、まあジグソウ(トビン・ベル)そっくり。ちなみに彼はイエスサロンの代表。教祖的な存在。カリスマ性がなおさら似ている。
でもなんで『saw』なのかというと、実はカールが作中で見る映画の1つにこの『saw』の1が出てくるのだ。
「どうせ半分切れてんだ。後は折れ!」
saw1のとある場面を見ながら、そんなセリフを吐くカール。sawがわかる人にはこの辛辣さがとても面白い。
ちなみに他にはハリーポッターやスパルタ(スリーハンドレッド)も出てくる。知っている人はちょっとクスっとするだろう。
イエスマン感想レビューまとめ
この映画、2回は見ても良いなと思った。というか落ち込んだ時に見たい。人によっては、
人生の友になる映画だ。
当時話題になった記憶だがやはりすごい映画だった。久々に平和な日常が舞台で満足のいく映画を見た。最近『あくまのいけにえ』シリーズを見ていたんだけど、ようやく満足した。
なんか日常でスッキリしない。楽しくない。満足しない。そういう時にはこの映画を見たまえ。返事はそう、もちろん決まっているね?
「 !!」
映画はレビューを書くよりも、見る方がペース早いから全然他の記事がないや。なんかこんなコアな映画のレビューしかなかったです↓
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