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夏の始まりに「生存本能」を感じる。

訃報。訃報。訃報。
その日は仕事から帰ってきて、SNSを見て驚いた。

もし僕の生きてきた歴史が綴られた本だけを扱う本屋があったとすれば
特に「学生青春」のコーナー、「高校〜専門学校シリーズ」棚で
好きな番組のイケメン俳優として、友人たちとの会話として、
それに関連したいろいろな場面でのワードとして、
少なくとも俳優だけなら5本の指に入るほど出てきてただろう。
勝手ながら一方的に親しみを感じていた彼が、
若くして自ら命をたった。
理由は僕らの想像の域には収まらないだろうが
その理由が気になって仕方がない。
心からお悔やみ申し上げます。

その次の日、昨日までのグズついた天気が嘘のように
カラッと天気がよく何日かぶりの猛暑日だった。
早朝から在宅のデスク仕事中も暑くて、集中力が切れそうだった。

作業が進み、終わるにつれ気温も上がり
クーラーなしでは作業にならなかった。

仕事が終わった僕は、クーラーのない扇風機だけの暑い寝室で
昼すぎまでゆっくりしていた。
お昼はすぎているが少し小腹が空いているぐらいだったので
昼飯は食べる必要がないと思って、
何も食べずに横になってYouTubeを見ていた。

そこで、1つの動画を見た。

結論からお話すると、その動画から僕は「恐怖」を感じた。
お化け屋敷や肝試しをした時に感じる気持ちでもなく、
大きなミスをしてしまい怒られそうになる時の気持ちでもない。

生きていることを脅かされる「恐怖」だ。

そしてそれ自体は、「小さな恐怖」だった。
今思えば、これがきっかけだった。

動画を見ていた僕の環境は、
クーラーのない『猛暑』と少しの『空腹』。

ステージが佳境になるにつれて
「空腹」は「恐怖」を引き金に大きくなっていった。
次第にステージとは関係のない気持ち
「何か食べないと死んでしまう!」と感じるようになっていた。
ステージ終了間際の審査員のサイモン氏が
ステージにあがった時にはお腹をおさえながら動画を見ていたほどだ。
この時には「猛暑」も相まって、飲み物も欲し始めていた。

そして、動画が終わる頃には、僕は“プチ”生命の危機を感じ、
ただの娯楽的欲求ではなく心の底から、脳から、本能から、
飲食を求めていた。
僕は、生命の危険を感じて生存本能が働いていた。

是非、猛暑日じゃなくても、空腹じゃなくても、
僕の見た動画を皆さんにも見ていただきたい。

“イギリスの人気番組「Got Talent」のオーディションにGomonov knife show(ゴモノフナイフショー)と題し、男性がアシスタントの女性にむけてナイフを投げつけるステージが配信されている。”

ナイフ(刃物)と人間が少しでも交わる時、
全ての人は本能的に「恐怖」を感じる。

料理を作る目的とはいえ、包丁を握ってる最中に、
近くに人(特に大切な人)がいたところを想像して欲しい。

もちろん、何もする気はないけども、
なぜかヒヤリと「恐怖」を感じないだろうか。

僕はそれのMAXに体感できるのがこのステージであると思う。

そして、そこに環境的な過酷さが加わると
僕らはちゃんと生存本能が働くのだと考える。
この動画を横になりながら見てた僕のように。

そして、冒頭の彼の自殺についても感じたことがある。
僕はこの経験から人間はきっと簡単に死ぬことは
できないのだと考える。

もちろん、彼や自殺した方達も、
“生命の危機を感じた時に自動で発動する、超自然な最強の生存本能”
を僕らと同じように生まれながらにして持っていたはずだ。
でも彼らは、人間的成長の過程の中で受ける
“周囲の人間、社会的影響を受けた悩みや理由”が本能に勝り、
この世から脱することを選ぶのだ。
むしろそれが人間の本能なのかもしれない・・・。

僕はこの体験とこの動画から、「生きる」ことを感じた。
僕の命の奥深くにもつ「生存本能」を感じた。
自分も世に負けないぞと「活力」が湧いた。
きっと皆さんにもあるはず。

「生きる」だけで忙しいけど、
「生きている」からこそ頑張れるのだと再認識した。



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