どこに住めばいい

　ここ二週間で四件の賃貸物件を見に行った。まだ理想と完全合致する物件には巡り会えておらず、成約には至らずにいる。
　今よりも安く、今よりも騒音が少なく、治安が良い物件を探していたのだが、長期的な視点で考えたときに、ある程度都会に行かなければいけないんじゃないかと思えてきた。というのも、就職先の選択肢（＝会社）が多い方が良いだろうと思うからだ。それを踏まえ、日々物件サイトを眺めたり、複数の不動産会社とやり取りしたりしているうちに、何もかもが面倒になってきた。
　もう何でもいい、好きにしてくれ、誰か決めてくれ、と、絶対にそんなはずがないのに、そんなことを叫び出したくなってしまう。
　どの地域に住むべきかさえも分からない状況下にいるが、そんな中、家具の処分を頑張っている点においては自分を褒めてあげたいと思う。粗大ごみに出そうにも一階まで下ろせずにいた大型家具も、ノコギリやドライバーで解体し、可燃ごみとして出すことができた。父が「手伝うよ」と言ってくれたのだが、もうすぐ七十を迎える人に力仕事を頼むのは気が引けたため、少しずつ作業を進めていった。途中で心が折れかけもしたが、木材がパキンと割れたときの達成感は素晴らしいものだった。どんどん小さくなっていく木材を前にするととてつもなく嬉しくなり、小躍りしたくなるほどだった。
　ただ、こうして書いてみると、自分はものづくりよりも破壊が好きなのかもしれないと思えてきて、少し残念な気持ちに陥ってしまった。