babkaが食べたい。

近所のパン屋さんで、チョコレートブレッドなるものを買った。
食パン生地にチョコレートスプレッドが練り込まれているやつだ。
小腹空いた時にも、おやつにもちょうどよさそうだって思った。

食べた。
うん。おいしかった。
この気持ちに偽りはなかった。

だけど、私の体は叫んでいた。

Babkaが食べたいと!

Babkaはご存知だろうか?
私はバブカってそのまま発音しているけど
もしかしたら、バブウカかもしれないし
異なる発音をするのかもしれない。

Babkaは、ポーランドとウクライナのジューイッシュコミュニティで生まれ
親しまれてきたパンだそうで、ブリオッシュのようなさくっとふわっとした生地に、チョコレートや、シナモン、アップルソースなどのフィリングを練り込んで編んで焼いたもののことを言う。

私には、いくつかお気に入りのベーカリーがあり、Union Square に
ある Breads Bakeryもそのひとつだった。
ああ、今私は日本にいるから、あのお店のことを過去形で表現している。
時は着実に刻まれている。

とにかく、そこの Chocolate Babkaは、中毒になる要素を兼ね備えた逸品であった。甘くて濃厚なチョコレートが、たっぷりと練り込まれているので
万人に好まれるタイプのパンではないのだろうが、大勢を虜にさせるのは容易いことだろう。
ベーカリーのドアを開けた瞬間に包まれるあの香りにまた会いたい。

パンといる時間はいつが幸せなのだろう?
食べる前のあの香りを嗅ぐときか、個性あふれるパンの形を愛でるときか
それとも口に運ぶときか… いや、もう作っているときのふわふわの生地に触れたときか。

小麦を摂取しすぎるのは、体に合わない行為だと思うし、体も喜ばないだろう。だけど、私に幸福を与えてくれるあの瞬間たちとはもう少し一緒にいたい。


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