セラムン二次創作小説『Hello Again〜昔からある場所〜』
長かった……
セーラーカオスとの戦い
仲間を失い、最愛の人を失って
1人カオスと戦う日々
私はいつだって
平和や正義のためなんかじゃない
愛する人のために
仲間のためだけに
戦ってきたの
セーラームーンの時も
そしてセーラーコスモスとしても
その気持ちは普遍的なもの
ずっと変わらない想い(セーラーマインド)
なのに、愛する人も仲間もいない
たった一人になったこの世界で
戦う事に意味なんてあるの?
そう挫けてしまったこともあった
何度も後悔したから過去へも行った
今度こそやり直すために
でも分かったの
選んだ道は間違っていなかった
全てを捨て去る勇気の力と
全てを受け入れる勇気の力
忘れかけていた無敵の力
エターナルセーラームーンから授かった
この大きな力で逃げずに前へ進める
エターナルセーラームーンが
月野うさぎがコルドロンの中で
あの時のまま仲間や最愛の人と
人生をリスタートしてくれたから
勇気をだしてまた一人で
カオスと戦おうと決意出来た
やはりこうする他無いのだと
これがカオスを倒す最善策なのだと
過去から戻った私は
セーラームーンから貰った勇気で
カオスと対峙していた
あの時のエターナルセーラームーンのように
全てを捨て去る勇気の力と
全てを受け入れる勇気の力
忘れかけていた無敵の力
これらを全てこの手に、この胸に
コルドロンの中でカオスを
包んであげるわ
あなたの事も一人になんてしない!
きっとカオスだって一人
寂しい思いをしてたのよね?
寂しかったんだよね?
1人は寂しいよね?
そんな寂しい気持ちがきっと
悪い心を宿してしまっただけなんだって
今なら何となく理解が出来る
だからこそ
その思いを全て私が包んであげる!
コスモス・クリスタル!!
ラムダ・パワーッ!!
ありったけの力を解放して
私は星たちの聖地
強い星も弱い星も
屑もセーラー戦士も
銀河中の全ての星が生まれるところ
ギャラクシーコルドロンの中へと
この身を投げ捨てた
セーラーカオスも
散っていった仲間や最愛の人も
全ての星を守護に持つセーラー戦士も
その中で私の全ての力で包んであげる
そして私は本当の
真のセーラーコスモスに
誰も星の生まれるところを
消すことなんて出来ない
ここがあるから
私たちは生き続けてゆける
何度でもやり直せる
今までの事が走馬灯の様に駆け巡る
親友の宝石店の前で出会った永遠の恋人
遅刻寸前の学校へ行く道で会った前世からの相棒の黒猫
セーラームーンに変身した日のこと
タキシード仮面に叱咤激励してもらった事
敵と戦う中で増えていった仲間
憧れのセーラーVの合流
実はプリンセスだった前世
地球国の王子と禁断の恋をしていた事
前世の因縁の戦い
平和を取り戻し、一難去ってまた一難
謎の少女と新たな敵
次々囚われて行く仲間
未来への旅立ち
時空の扉を孤独に守るセーラー戦士
謎の少女が未来の娘だった事
未来をかけた戦い
受験生になってもまた戦い
先祖返りと2人の謎の戦士
不思議な少女との出会い
外部太陽系3戦士と3つのタリスマン
セーラー戦士集結と聖杯の出現
スーパーセーラームーンへ二段変身
セーラーサターンの覚醒そして終焉
太陽系外惑星からの侵略者との戦い
高校進学と同時にまた戦い
ペガサスとの出会いと新たな覚醒
次々と敵から呪われる仲間
エリオスとエリュシオンとまもちゃんとの関係性
ゴールデンクリスタルの出現
クイーンの力に1番近いエターナルセーラームーンへの覚醒
ちびうさの初恋と守護戦士の存在
前世のもう1つの因縁の戦い
スターライツと言う太陽系外からのセーラー戦士の存在
セーラークリスタルを狙ってくる敵もまたセーラー戦士
クリスタルを抜かれ消滅する仲間たち
破壊の戦士とギャラクシーコルドロンそしてカオスの存在
宇宙の仕組みと今までの敵の真実
銀河をかけた宇宙の壮大な戦い
思い返せば戦いばかりの人生だった
辛い日々だったけれど
愛する人や仲間がいて
かけがえのない愛しき日々
どんなに辛くても仲間や最愛の恋人がそばにいる限り
この人生を行きたいと願った
例え戦いが繰り返されても
この人生を諦めたくないと
何度も何度も私は私として
星を守護に持つセーラー戦士として
人生を全うしたい
このままずっとみんなで
一緒に生きていきたい
このままみんなで
未来を作っていきたい
どんなに辛くても
この人生を生きていきたい……!
そうあの時コルドロンの中で
ガーディアンコスモスにお願いした
そしてその願いは叶い
クイーンとして君臨して
太陽系を治めた
あの日約束された未来を全うした
そしてその先に待ち受けていたのは
セーラーコスモスとなりカオスとの戦いの日々
でもそれもこれで解放される
全て終わってこれでやっと楽になれる
ホッとした瞬間
そこで意識は失った
次に目を覚ましたのはやっぱり
ギャラクシーコルドロンの中でだった
セーラーコスモスとしての戦闘服を纏うことなく
月野うさぎだったあの時のように
普通の衣服に身を包んでいた
やっぱり全ての星が生まれるところを
消すことなんて出来ないのね
ここがあるから私たちは
生き続けてゆける
何度でもやり直せる
「ーーなんて強い星の輝きなの」
コスモス・シードの守護・精霊である
ガーディアンコスモスに話しかけられハッとなる
「セーラーコスモスね?
カオスとの長い戦いお疲れ様」
その言葉でガーディアンコスモスも
このギャラクシーコルドロンの中で
戦いの行く末をずっと見守ってくれていたのだと知る
それだけで救われた気持ちになった
守るべき愛する人も仲間もいない中で
戦う意味を見いだせずにいたから
「カオスは?」
表情を変えず首を振っている
やっぱり完全消滅とはいかなかった
また姿形を変えて転生するかもしれない
覚悟は出来てる
私が存在する限り敵は必ず現れる
光は闇を呼び、また闇は光を呼ぶ
表裏一体だから
だけど今度こそ敵としてでは無く
仲間として仲良く出来たら
なんて思うの
「私の元へやって来たという事は
その命をコルドロンの始まりの海へ捨て
新しい星の歴史を始めたいと言う事?
それともそのままの星の姿でここから
立ち去っていきたいのかしら?」
あの日、愛する人と仲間と再開したコルドロンで
今度は一人、この質問に答える事になった
「また愛する人や仲間と過ごしたいな」
私の帰る場所はいつだって決まっているから
またあの場所から始めたい
役目を終えた私はまた同じ歴史を繰り返す事にした
……まぶしい……
……お日様の光だ
気持ちいーーい……
……ああ、まもちゃんのお布団の中だわ
いっつもふかふかで
お日様と緑の匂い……
「うさちゃん!うさちゃん!」
そう呼ばれ起きた私は小さい
小学生の姿に逆戻り
勿論、最愛の人であるまもちゃんも
私と同じで小学生の姿で……
「おはよう、うさちゃん」
おはようのチューで起こしてくれる
まるで王子様
シャワー浴びて着替えを促してきて
朝食を作ってくれて
オマケに算数の宿題までやってくれちゃったりなんかして
教科書もちゃんとカバンに揃えて入れてくれてて
私を最上級に甘やかしてくれる
…これって夢かなぁ?なんて思いながらも
本当はちゃんと分かってるの
これは夢なんかじゃなくて
私がガーディアンコスモスに願った事
ネヘレニアの呪いの中で見ていた夢
理想のシチュエーションだったから
夢で終わらせたくなかったの
初めて出会った時はお互いもう成長していたから
だけど小さいまもちゃんにも会ってみたかった
それに6歳で事故にあってから
両親も記憶も無くなり一人ぼっちで生きて来たまもちゃんに
寄り添ってあげたかった
癒して元気づけたかったの
何より私自身がまもちゃんのいない日々がとても寂しくて
たった一人戦うことがすごく辛くて
何もかも投げ出して会いに行きたかった
まもちゃんの傍にいることが
まもちゃんが隣にいることが
私の当たり前の事として定着していて
いない日々なんて考えられなくなっていた
まもちゃんがいなかった日々を埋めたかった
私が癒されたかったし元気づけられたかったの
新しい関係を始めたくて
私の全部がまもちゃんの想い出で埋めつくしたくて
小さいまもちゃんに会いに来たの
“よく頑張ったね”って褒めて欲しくて
思っきり甘やかして欲しくて
ここに来たの
大人のまもちゃんもいいんだけど
結構厳しくて甘やかしてくれないし
もっと甘やかして欲しかったな、なんて
そんな文句を言ったらきっとまもちゃんは
“充分甘えてるだろ!”って呆れるんだろうな
一緒に暮らして
学校へ一緒に登校して
授業も机並べて一緒に受けて
給食も一緒に食べて
勿論下校も一緒で
「うさちゃんの夢を僕が全部叶えてあげたいんだ
うさちゃんは何にもしなくていーんだよ
僕に甘えてくれるだけでいいの♡」
まもちゃんの夢は?って聞いたら
当然の様に“うさちゃんとケッコンするコト”なんて言ってくれるの
私の夢もまもちゃんとケッコンするコトだよ
とっても幸せだな
戦いなんて無くて
勿論禁断の恋でも無くて
みんなにも応援してもらえて
なんでもない事が
みんなが当たり前に過ごす日常が
私にも普通じゃなくて
それはとても幸せなこと
かけがえの無いこと
いつしかまもちゃんを救うはずが
私の方が救われていた
分かっているわ
この幸せはきっと長くは続かないってこと
また戦いの日々が待っているってこと
だけど今だけは
この瞬間(とき)だけは
どうかこの幸せを噛み締めさせて
おわり