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読書『ミッキーマウスの憂鬱ふたたび』

あおむんです。

読み始めたのは結構前だが、一時期手が遠のいていて読みかけとなってしまっていた松岡圭祐さんの『ミッキーマウスの憂鬱ふたたび』を読み終えた。

あらすじは下記の通り。

東京ディズニーランドで清掃のアルバイトをしている、永江環奈。
ある日、彼女はテーマパークの顔として活躍するアンバサダーになれることを知り、挑戦を決意する。
不可能だと言われながらも、周囲の応援を受け、夢に向かって前進する環奈。迎えた選考会当日は雨、更に園内で大騒動が発生して。
知られざる〈バックステージ〉を舞台に、仕事、家族、恋、そして働く者の誇りを描く、最高の青春小説。

本のカバーより

前作の『ミッキーマウスの憂鬱』が刊行されたのが2005年。そして、この続編が出たのが2021年。実に16年の間が空いているが、この物語の中でも同じ16年という歳月が流れており、その片鱗を感じることができるシーンが盛り込まれている。

前作を読んだ方が「おおっ!」と思う場面が用意されているため、ぜひ読んでから今作に触れることをお勧めしたいが、逆にこの『ふたたび』を先に読んで、前作『ミッキーマウスの憂鬱』を読むと過去に遡る体験ができるかもしれない。

登場する主人公の永江環奈はカストーディアルキャストという清掃のアルバイトをしているが、夢の国とはいえ清掃は清掃。誇りを持って働いていてもなかなか家族は認めてくれない。

そんな中、アンバサダーという宣伝役のオーディションが開催されることになり、誰でも応募できるという条件から環奈は応募することになる。

華やかなダンサーに比べて地味な清掃員。ここからどうやって挑戦していくか。
というメインストーリーが展開する中、別で事件も起こり、その事件を通じて環奈や周りに変化が起こる。

様々な葛藤の中、それでもなんとか前に進もうとする環奈やそれを応援したり優しく見守ってくれる周囲の人の温かさを感じることができるとてもハートフルな作品だった。

社会人が長くなってくると、このようなある意味”青くさい”悩みはなくなってくるものだが、その青くささに大事なものがちゃんとある、ということを思い出させてくれる良書だった。


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