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読書『宇宙の声』

あおむんです。

星新一さんの『宇宙の声』を読んだ。

あらすじは下記の通り。

宇宙基地に連れてこられたミノルとハルコは、奇妙な“電波幽霊”の正体をつきとめるため、基地隊員のキダ、特殊ロボットのプーポと広大な宇宙空間へ旅立った。ものすごく攻撃的な鳥が支配するテリラ星、あらゆるものを食べつくす恐ろしい植物に占領されたオロ星、カブトムシのような怪虫に滅ぼされた無人の星など、果てしない宇宙で彼らは大活躍!すばらしい空想の世界に読者を誘う、傑作ジュブナイルアドベンチャー。

本のカバーより

星新一さんは言わずもがな、ショートショートの神様と言われるくらい、膨大なSF短編を書かれた方で、私も小学校の図書室で見つけて以来大好きな作家さん。

代表作の『気まぐれロボット』や『ボッコちゃん』をはじめとしたショートショートは、昭和40年代に書かれたとは思えないほど未来を鮮明に描いていて、単純に科学技術が発展した明るい未来というよりは、それを使う人間の本質を生々しく表現している。

『笑ゥせぇるすまん』や『世にも奇妙な物語』のようにどこか不気味で、欲に溺れた人は残念な結末を迎えるというストーリーは子供頃の自分に大きな影響を与えてくれた。

今回の『宇宙の声』という作品もそんな昭和の時代に書かれた中編小説だが、先述したようなウィットに富んだ皮肉や不気味さは無く、子供が主人公の宇宙冒険譚として楽しく読める作品だった。

ただし、子供向きとはいえ、というか子供向きだから尚更だろうか、最新の科学技術を適切に扱わなければいけない、と考えさせられる内容になっているのはやはり星新一さんの訴えたかったことだろう。

新しい技術を身に付けると、人は使って試したくなる。
私もそうだ。

中には利己的な使い方を考える人も出てくる。
他人に迷惑をかけなければまだ良い方だが、利己的な使い方というのはたいてい副産物として誰かにとっての害も生み出す。

久しぶりに星新一ワールドに触れて、懐かしさと同時に大切なことを思い出させてくれた。

時間をみつけて改めて他の作品も読み直していきたい。


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