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読書『倒産続きの彼女』
新川帆立さんの『倒産続きの彼女』を読んだ。
あらすじは下記の通り。
倒産の危機に瀕する老舗のアパレル会社・ゴーラム商会を救うため、弁護士の美馬玉子は先輩の剣持麗子とともに「会社を倒産に導く女」と噂される経理課の女性の身辺調査を行うことになった。ブランド品に身を包み、身の丈に合わない生活をしている彼女は、会社の金を横領しているのではないか。ところが、調査を進めるさなか、ゴーラム商会の「首切り部屋」と呼ばれる小部屋で死体が発見され・・・・。
この作品は以前読書日記にも書いた『元彼の遺言状』の続編。
今回も非常に内容が面白く、読み始めたらスルスルと読めた、いや…読み進めたくなってしまい、あっという間に読了した。
今回は会社の倒産というものがテーマになっており、社会人をやっている人にとってはリアリティがある話なのではないかと思う。
どういう理由で会社が倒産するのか、ということがわかりやすく、且つ現実的にもありえそうな内容だからである。
今回は前作の主人公 剣持麗子に加え、新しく美馬玉子という弁護士が登場し、物語の中心となっていく。
周りで起こる事件や出来事が少しずつクロスしていくワクワク感や、しっかりとしたどんでん返しも用意されているので読み応えは十分。
繊細に設定されたストーリーがあるからこその大胆な展開や場面が非常に活きていて、後半のスピード感が心地よかった。
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ネタバレを避けるためにモザイクだらけだが、出てくる情報をメモしたり繋ぎ合わせたりしながら読み進めると、自分が物語の中で一緒に考えたり予想したりしている感覚になり、非常に面白かった。
これから読む方にはぜひオススメしたい。
さて、この剣持麗子シリーズは3作目の『剣持麗子のワンナイト推理』という作品があるが、既に購入済みのため、この余韻のまま早速手をつけてみたいと思う。