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Web上の文章は「アーギュメント」の考え方から書き・読むべきである:「まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書」

阿部幸大「まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書」を読み、しばらく迷子になっていた自分のWeb上の文章の書き方について指針ができた。今後はアーギュメントを意識しながら書いていきたい。

「まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書」は、人文学の論文・レポートを書くための本。本書が新しいのは、論文において必要なものを「アーギュメント(argument)」と定義している点。アーギュメントの作り方、アーギュメントの強弱、アーギュメントの鍛え方、立てたアーギュメントに説得をもたせるための構造を紹介している。
阿部は本書で論文を〈論文とは、ある主張を提示し、その主張が正しいことを論証する文章である〉と定義し、ルールとして〈論文はアーギュメントをもたなくてはならない〉としている。つまりアーギュメントがない文章は論文ではない。論文にはアーギュメントを論証するためのさまざまなパーツ(ファクト、引用)が存在しているが、パーツを寄せただけでは論文にならない(なぜならアーギュメントがないから)。

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