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5.契約と夢、迎える地獄の三連休

更新に時間がかかってしまいすみません! 「ルポ 引っ越し」マガジンは本記事と残り1本で完結します。

「家の中にデニーズを作りたい」

前回までのあらすじ:引っ越したくてウキウキしていたら恋人に「YOU貯金100万あるの?」と聞かれ、あるわけなさに号泣。しかし全然乗り気じゃない恋人と一緒に内見をしたら突如としてよい物件にぶち当たり即決。ついに引っ越しが決まるのであった……

恋人は暮らしに対する萌えがない。正確にはないわけではないのだが、自分でこまごまと収納用品を買い集め、一個一個自分の空間を作っていくようなやる気をもっていないという意味。ただ「1000冊を超える本に囲まれたい」「その中で快適に暮らしたい」という欲望はあり、それを自分ではなく外部に委託して作り上げていた。
前の部屋は、知り合いの建築家Kさんに依頼し、ひとりぐらしに最適化したDIY部屋を作ってもらっていた。その部屋はとてもすてきで快適だったけれど、以前noteでも書いたように、ひとりに最適化された部屋に私の入る余地はなく、漠然としたつらさを味わう部屋でもあった。(と同時に、作ってもらったときよりも本の数が3倍くらいになり、明らかに本があふれていた)
引っ越しが決まる前から、自然に「次の部屋もKさんに頼みたいね」という話をしていた。今の部屋に巡り合ったとき、恋人はすぐさまKさんに部屋の間取りをLINEで送り、「いいんじゃないですか! 抑えちゃいましょう」と返事をもらったのを確認したあと、申し込みを決めていた。

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