何もかもがダメではなかった(8月31日の夜に)
飽きるほど長いはずだった夏休みが走り去り、明日から学校が始まる。まだ身体は家に居るのに、学校は始まっていないのに、「帰りたいな」と思ってしまう。そんな8月の終わりを何年も繰り返してきたように思う。
中学の頃、その憂鬱は一段大きくなっていた。僕も変にひねくれていたのだけど、何をやっても馴染めない、周りがつまらない、そんな環境にわざわざ戻らなければならないのが虚しかった。
でも、学校の全部が、何もかもがダメなわけじゃないと心のどこかで思っていた。落ち着ける図書館があった。気さくに話してくれる先生も少し居た。そして見渡せば、普段話さないけど、僕と同じでなんとなく「外され」ている同級生が何人も居た。
まあ、何とか、大丈夫。そうやって2学期の日々を布団のなかで待っていたのだった。
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