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なかなか行けないので、おうちでプチ美術館気分

こんにちは、真月です。
「はじめてのnote|自己紹介」の投稿で、思いがけず様々な方に「スキ」をいただき、本当にありがとうございました。

これからもゆるゆると書ける範囲で続けて行こうという前向きな気持ちになることができました。

前回の投稿では趣味のひとつである読書についてかる〜く触れたので、今回は別の趣味について書いて行こうと思います。


【はじめに】〜美術館・博物館巡りについて〜


私の古くからの趣味の一つに、美術館・博物館巡りがあります。趣味と呼べるようになったのは大学時代からで、アート好きな先輩と週末によく出かけたものでした。

当時は京都に住んでいたので、京都国立博物館をはじめ京都市美術館京都国立近代美術館などにはよく足を運びましたし、近隣の奈良や大阪、神戸の美術館・博物館へも足を伸ばしました。

今は九州在住なので、行くのは九州(北部)の美術館がメイン。

ただ私の現在の居住地が田舎で交通の便が悪いこともあり、行けたとしても年に1〜2回程度です。コロナ禍の制限も無くなったので、これからはもっとお出かけしたい!という願望は持っています。

ポストカードの使い道…

ところで、展覧会に行った記念にポストカードを買われる方も多いと思うのですが(私もその一人)、皆さん買ったポストカードはその後どうされているんでしょうか?

  • 実際にハガキとして使う

  • おみやげとして誰かに渡す

  • ファイルに整理して保管

こんな感じでしょうか?
私はどれにも当てはまらず、ただただ使う宛のないポストカードがたまっていっていました。

いただきもののクッキーの缶がストッカー
こんな感じでちょうどいいサイズ感

コロナ禍のあまり外出できない時期に、過去に行った展覧会のポストカードを部屋に飾ってひとりで「おうち美術館」を楽しんでいました。
眠り続けていたポストカードたちがやっと日の目を見た瞬間でした。

今もたまに入れ替えを行いながら、棚の上を自分だけのプチギャラリーにして楽しんでいます。

今回はそれをご紹介しようと思います。

【棚の上のプチギャラリー】

割と落ち着いた色合いの作品が多い

1.秋野不矩《朝の祈り》

この中で一番古株なのは棚の中央の
秋野不矩《朝の祈り》

今回noteを書くにあたり調べてみたところ、2007年の展覧会で購入したものでした。
なんと17年前!
そう言われると若干色褪せてきた感じもします。

これは珍しく額入りで購入したので、入れ替えもなく17年間ずっと飾られてきたベテラン選手です。

秋野不矩(あきのふく/1908-2001)は女性の日本画家で、50代でインドに1年間赴任したことをきっかけにインドの風景に魅せられ、インドをはじめアフガニスタン、ネパールなどに赴き数々の壮大な作品を残しています。1999年には文化勲章を受賞。

2007年に滋賀県立美術館で開催された『松園・遊亀・不矩』という三人の女流日本画家の作品を集めた特別展を観に行きました。

当時私は大阪に住んでいたのですが、たまたま休日出勤の振替で平日休みがあり、関西近郊でやっている展覧会を調べて
「あ、上村松園と小倉遊亀が見られるのならいいかも!」
と思って行くことを決めました。

その時には秋野不矩という画家の名前すら知りませんでした。

初めて訪れた滋賀県立美術館は果てしなく遠かったような記憶…(滋賀の方すみません)
しかも暑い暑い夏の日で、蝉がワシャワシャ鳴いていたことを覚えています。

でも、はるばる行って大正解だった!と思える、本当に印象深い展覧会でした。

もちろん松園や遊亀の作品も素晴らしかったのですが、数ある作品の中で一番強く印象に残ったのは不矩でした。


この《朝の祈り》と題された作品の舞台は南インド。家の軒下の地面に信仰する神のシンボルを描く女性を描いたもの。毎朝女性が祈りを捧げながら描き、描き終わるとすぐに掃き清められてしまうそうです。

この絵を見ると、穏やかで、それでいてどこか清新な気持ちになります。
まさに朝にぴったりの作品!

ちなみに私は絶望的に朝に弱いため、朝からこの絵をじっくり鑑賞する余裕はないのですが…

浜松市にある秋野不矩美術館にもいつか行ってみたいです!
https://www.akinofuku-museum.jp

2.東山魁夷《窓》

もう一つの額入りのポストカードは
東山魁夷の《窓》

額と言ってもこれは100均です(笑)
最寄りのダイソーにハガキサイズのフレームが売っていなかったので、ひと回り大きいフレームを購入。台紙に切れ込みを入れ、カードの左上と右下をそこに差し込むような感じで飾っています。

どのくらいの周期で中身を入れ替えるかは決めていませんが、たまに入れ替えて楽しんでいます。

東山魁夷(ひがしやまかいい/1908-1999)は近代を代表する日本画家であり、私の好きな画家の一人です。
私の中学時代には国語の教科書に《道》という作品について語った随筆が掲載されており、それで存在を知りました。

その《道》を初めて美術館で観た時は

「これが、あの!」

と感動したものです。

もちろん《道》のポストカードもありますが、棚の上ギャラリー以外の場所に飾ってあるので今回は割愛。

いずれも、2016年に九州国立博物館で開催された『東山魁夷展』で購入したポストカードです。

空が映り込む九州国立博物館の外観

魁夷のいくつかの作品は、それまでにも他の日本画の展覧会で観たことがありましたが、大々的な回顧展が九州で開催されると知った時の嬉しさたるや!
その興奮を誰とも共有できなかったけど! 

《唐招提寺障壁画》をはじめ、数々の作品を観賞することができ、ほくほく気分のまま突入した物販コーナーで、まんまとポストカードを大量購入したのは言うまでもありません(笑)

この《窓》という作品の持つ静かな温かみ、人が描かれているわけではないのに日々の営みが感じられる何とも言えないあたたかい雰囲気が好きで、先月くらいから飾って癒されています。

 「窓を描こう」と、私は思った。ドイツ・オーストリアの旅は、北海の岸辺からティロルの山々に至る自然と、よく保存された古い町々を見ることが目的であった。そのどちらにも美しく保とうとする「人間」の心が籠っていて、私の胸に響いた。

『東山魁夷画文集』新潮社より

3.アーノルド・ローベル Frog and Toad Tree

この棚の上ギャラリーの中で一際異彩を放っているのが、アーノルド・ローベルの『Frog and Toad』のアートボード。ダンボール素材なので、額に入れずに飾れて便利です。

2022年に長崎県立美術館で開催された『アーノルド・ローベル展』で購入したもの。

アーノルド・ローベル(1933-1987)はアメリカの絵本作家で、代表作の「Frog and Toad」は、日本では「がまくんとかえるくん」シリーズとして知られています。
私が小学校低学年の頃には国語の教科書に「おてがみ」という挿話が載っていました。

大人になってから「おてがみ」が収録されている絵本『ふたりはともだち』を買って読み直したのですが、もう涙腺が緩む緩む…

この特別展でも絵本の原画とともにあらすじが紹介されていて、特に最終話のところでは涙腺決壊(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

まさか美術館で泣くことになろうとは…
汗を拭うふりをしてごまかしながら涙を拭きました。
夏で良かった。
あと、一人で行って本当に良かった。

この時も物販コーナーで散財してしまいました…

4.山下清《パリのエッフェル塔》

今年我が家のギャラリーに加わったばかりの新入りが、山下清の《パリのエッフェル塔》

今年の5月、佐賀県立美術館で開催されていた『山下清展』で購入したものです。

山下清と言えばなんと言っても貼り絵
ドラマ『裸の大将』でも、放浪に出ては旅先でおにぎりをもらい、お礼代わりに貼り絵を作っていたような印象があります。

でもそれはあくまでフィクションで、清は放浪先では作品を作らなかったそうです。放浪から戻って来て、その土地土地で見たものを記憶を頼りに作品制作をしていたらしい。

そして晩年は、貼り絵だけではなくこの作品のようなマジックペン+水彩絵の具の作品も多く残していたということを、展覧会を観て初めて知りました。

そう言った作風の変遷が一堂に見られるのも、こういった回顧展のいいところですよね。

有名な花火の貼り絵などもありましたが、このエッフェル塔の絵があまり山下清のイメージには無い作品だったのでかえって心惹かれて購入。

構図もカッコいいし、色合いもいい。
何より今年はパリ五輪イヤーだし!という安直過ぎる理由で即、棚の上ギャラリーの一員になったのでした(笑)

【おわりに】

以上が現在の我が家のギャラリーのメンバーたちです。
それぞれの展覧会・作品にまつわる思い出を書き綴っていたら、思いのほか長文になってしまいました…

やっぱり、美術館っていいですよね。

生活に、ちょびっとアートを。

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