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映画紹介vol.2「カラーオブハート:後編」
プレザントヴィルの生活を始めた二人。
デイビッド(バッド)は放課後にバイト先のダイナーへ向かう。
遅刻してしまったことを謝りながら店へ入ると、オーナーのビルがカウンターの机を拭いていた。
ビル「やあ。実は困っていたんだ。いつもは机を拭いていると君がやってきて、ナプキンを用意する頃に僕がフライドポテトを作り始める。でも今日は君がなかなか来なかったから、机を拭き続けていたんだ。」
そう、この世界の人は毎日が同じ繰り返しなので、応用ができないのだ。
その頃ジェニファーはダイナーでスキップと食事をするものの、つまらない会話に辟易し、自らスキップを恋人池に誘う事に。
恋人池に着いた二人。経験豊富で性欲真っ盛りのジェニファー(メアリー・スー)はスキップに迫る。スキップも訳がわからないまま流されるが、身体は人間なので無事セッ〇スは行われ、ジェニファーは満足。
スキップは、恋人池からの帰り道、モノクロの庭先に一輪だけ赤く色づいたバラが咲いているのを見つける。
ここからプレザントヴィル(快適な街)は徐々に変わり始めていく。
若いカップル達は、ジェニファーとスキップのように連日恋人池で愛し合うようになる。
元々人間が持っている欲望やエネルギーが開花され、それらはあるべき方向に進んでいき、モノクロの街は少しずつ色づき始める。
若者の間では読書が流行し、夫婦生活の営みを知った人達はダブルベッドを買い求めた。ベティ(お母さん)もジェニファーの助けもあって徐々に色づき始めていた。※色づき始めたベティが本当に素敵なのだ。控えめなのに、色っぽくて品があって、演じたジョアン・アレン本当に良い。
同じことの繰り返ししか出来なかったダイナーのビルも変化できることを学び、絵を描く才能に目覚め、更にはベティへの気持ちにも気づき始めていた。
そしてついにプレザントヴィルに雨が降ったのだ。
〈カラーオブハート 予告編〉
〈以下ネタバレand結末〉
そんな中、この状況を良くないと捉える人達ももちろん出てくる。色づくことに反対するモノクロの人間たち。
街の有力者のビッグ・ボブは、色づくことへの変化を恐れ、プレザント(愉快なもの)とアンプレザント(不愉快なもの)を分ける必要があると言い出した。
そして街には「NO COLORED(有色人お断り)」の看板を掲げた店ができ、図書館の本は焼かれ、色づいた人々は差別され暴力を受けた。
ダイナーはビルが描いたベティの裸婦画を飾っていたため、モノクロ人によって破壊された。
※これらの場面はわたし達人類の歴史をなぞっているようで見ていてとても悲しくなる。
だがいくら迫害を受けても、色づいた人々のエネルギーは衰えることなくどんどん強くなっていく。そんな中、ビルとデイビッドは警察署の壁に徹夜で絵を描き、完成した後疲れてその場で寝てしまっていた。
それが見つかってしまい、街で初めての裁判が行われることに。
被告人席に立たされるデイビッドとビル。
「被告は公共建物に無断で絵を描き、更に禁じられている色を使った、ブルー、ピンク、イエロー、深緑、深紅、黄褐色、、、」と罪状を読んでいくビッグ・ボブ。
デイビッドはこの裁判が間違っていることと、人々が色づくことを止められないことを説いていく。
デイビッド「人間には色んな面がある。愚かさとか、いやらしさ、性欲、危なさ、冷たさ、その全てが心の中に混在している。それを認めなければ、、」
ビッグ・ボブ「やめたまえ。それは偽証だ。」
それでも続けるデイビッドは、裁判員席に座る父ジョージ(まだモノクロ)に
「ママ(ベティ)が家を出て行って悲しかったのは、ご飯を作ったり洗濯をしてくれる人がいなくて困ったからでなく、愛している人がいなくなって心に穴があいたからだよね?色づいたママはまるで出会った頃のように美しいと思っている、そうだろ?」と訴えた。
すると泣きながら傍聴席にいるベティを見つめ、色づくジョージ。
それを見ていたモノクロの傍聴席もポツポツと色づき始めた。
ビッグ・ボブに詰め寄るデイビッド「もうこれを止めることはできない。なぜならあなたの中にもこれはあるんだから。さあどうする?これからは若者はイチャつき、大雨が降り、準備された夕食もない、女性は外で働き、男性は家事をする。」
「そんなことはありえん!!!」と怒りをあらわにしたした途端色づいたビッグ・ボブ。
デイビッド(まんまとハマったぜ、へへへ。)
そして裁判所から外へ出ると街は完全に色づいていた。プレザントヴィルをグルグル回っていただけの道路には「スプリングフィールド行き」の看板が出来ていた。
この世界で読書と勉強に興味を持ったジェニファーは、メアリー・スーとしてここで生きていくことを決めた。その決意を尊敬し、現実の世界へ一人で戻ったデイビッド。
[現実世界]
家には恋人と旅行に行ってるはずの母がいた。
どうしたのかと聞くと、
「どんなに年下の彼と付き合っても、若返らない自分が虚しくなって、、、昔はこんなんじゃなかったのに、、40歳なのにこんなことじゃダメよね。」と泣きながら答える母。
デ「こうでなきゃいけないって事はないんだよ。」
母「何よ、急に大人になって」
デ「いい経験をしたんだ」
[終わり]
おまけ、好きなシーン↓
長々と書いてしまったけれど、とてもわかりやすいお話なので気になった方は是非。あとダイナーのビルが劇中で描く絵が本当に素敵なので(実際描いているアーティストは誰かわからないけど)それにも注目してみてほしいです。
ではでは。