クイーン
「お客様は、踊れて当たり前だと思って見に来ているから。」
過去に、バーレスク東京という六本木にあるショークラブのオーディションに参加して、すこしの間だけ板の上に立たせてもらっていたことがある。冒頭の一文は、そのときに先輩に言われた言葉。
「踊れて当たり前」、なるほど、そうかそうだよな、お金を払ってショー見に来てるんだからそりゃあそうだ。当たり前のことなのに、言われて改めて気づいた。
バーレスクでは、各演目のいわゆるセンターのような立場を「クイーン」というのだけれど(すこし解釈が違ったらごめんなさい。)、「クイーンのパフォーマンスがだめだったらその演目すべてがだめになってしまう」ということもそのときに教えてもらった。だから、クイーンはみんなが憧れる華のようなものだけど、とっても責任重大。
最近よくその言葉を思い出す。
今のグループは別にルックスやスタイルで曲の立ち位置が決まってるわけじゃない。センター制度みたいなものなんてないけど、客席からパッと見たときに「このグループのこの曲のこのパートであの立ち位置に立ってるのは、金髪の赤い子」って認識されるのは当たり前だから、わたしは「クイーンの自覚」ってやつを持ってパフォーマンスをしなきゃって、毎日おもう。勝手にね。ほんとに勝手に自分で思ってるだけ。べつにセンターはわたしのもんだ!とかじゃないよ。
ステージのはじっこにいようが後ろの方にいようが、みてくれてる誰かにとってはセンターなんだから、立ち位置にこだわるのなんてダサいけど。
でも、わたしがステージに立って踊り続ける限り、あの日言われたクイーンの意味を忘れることは絶対にないとおもう。
どんなときも、どこにいても、クイーンであることを忘れずに。ステージから、感謝を込めて。