山で育つ
私の育った場所は一言で言うと山の中です。
秋の始まりには「熊に合わないように!」と緊張感を持って暮らしていました。夜になれば心もとない外灯しかないので、ほぼ真っ暗です。車がないと生活できない。
かなり不便だけれど、山の中ならではの楽しいこともたくさんあった。
夏の始まり。たくさんのホタルの放つ光で、どこに沢があるのかわかるほどだった。もちろん庭でも楽しめる。
近くの沢に沢蟹がたくさんいて、捕まえて水槽に入れて眺めたり、焼いて食べたり。笑夜、フクロウの鳴き声が日に日に近づいてくるのを楽しんだり。(森の奥からゆっくり降りてくるらしい)
四季折々の野鳥のさえずりや、キツツキ(ヤマゲラ?)が家の柱を叩く音を楽しんだり。
特に小学生の頃は、楽しさがギュッとつまった毎日でした。
学校帰りの道草もバラエティーに富んでいる。友達と桑の実食べたり、アケビを採って食べたり、シロツメクサを長く編んで縄跳びしたり…子供に話したら羨ましがられた。笑
その中でも特に印象深かったのは、ダイアモンドダストだ。
痛いほど冷え込んだ晴れた朝。スキーウェアとスキー手袋、毛糸の帽子とマフラーに靴はスノトレの完全防備で片道2キロを歩く。風はなく、ただただ寒い。ふと気がつくと、キラキラが降っていた。
「うわ~!キレイだな~♪」
過酷な冬の通学でのお楽しみだった。
それが、ダイアモンドダストだと知ったのは大人になってからでした。この季節になるといつも思い出す。
長野はどこにいても自然豊かではあるけれど帰りたいな~と、山を眺めています。
…これが旦那さんから「山猿」と呼ばれる理由か?
今は超限界集落。もしかしたら無くなってしまう可能性も無くはない。でも、思い出は無くならない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?