ポージングを知ると、 被写体への声がけも変わる。
取材・文 木下恵修
フォトグラファーのためのポージングセミナー
2021年12月、株式会社アンズフォトでは、大手芸能プロダクションでタレントさんにコーチをするなど多方面で活躍するフリーの講師・内藤景子先生をお招きし「ポージングセミナー」を開催しました。
アンズフォトでは、広告はもとより企業広報系、ウェディング、ファミリーなど多岐にわたるジャンルの撮影サービスを展開しています。フォトグラファーは人物を撮影する際、被写体に対しポーズをつけますが、フォトグラファーがポージングについて一定の基礎知識を持っていれば、よりスムーズかつ的確な声がけができると考え、企画いたしました。
被写体と言っても、撮影内容によってはプロのモデルさんだったり一般の方だったり様々です。プロのモデルさんは状況に応じたポーズを作ることに慣れていますが、一般の方は普段の生活で撮影のためにポーズをとることはありません。ちょっとした立ち方や手の位置、姿勢など基本的な部分を気にかけるだけでも、一般の方をよりステキに撮ることができますし、目的に応じた撮影内容の完成度を高めることができるのではないでしょうか。プロのモデルさんに対しても、こちら側のイメージを伝えやすいというメリットにつながります。
「目からウロコ」のポージング指導
セミナーは、被写体のスタイルをより良く見せるために、美しい姿勢の取り方から。基本発想として、肩胛骨を寄せる、肩を落とす、30メートル先を見る感覚、顎を引く、重心を親指・小指・かかとの3点とする、胸は高い位置に、といったポイントを先生が見本を示しながら説明しました。
そうした基本姿勢を踏まえ、次に基本となるポーズについて、そのカタチのイメージをローマ字「ISAY」に当てはめ解説。基本姿勢を「I」、左下半身・右上半身のポーズ(逆もアリ)を「S」、下半身を大きく上半身を小さくとったポーズを「A」、下半身を小さく上半身を大きくとったポーズを「Y」と美しい身のこなしで説明されました。そして基本姿勢に加え、片方の脚に重心を乗せること、体の向き・角度を意識すること、キツネの手の仕草など、ポーズをとるときの細かなポイントにも触れました。
続いて笑顔のつくり方をレクチャー。笑顔にはスタンダードスマイル、ナチュラルスマイル、ビックスマイルの3種があることを説明しました。なおスタンダードスマイルは歯を見せる(上の歯を8本見せる)スマイル、ナチュラルスマイルは口を閉じた状態で口角を上げで微笑むスマイル、ビックスマイルはスタンダードをより強調した、大きく口を開け顔のパーツを解放したスマイルになります。
その後、基本的なポーズを実践。和装時や洋装時の違いを説明し、応用としてポージングの流れを解説。体の向きや手の位置に意識をしながら、脚の運び方(左右の脚の順番)、手の運び方(肩→胸の下→腰→降ろす)について、先生が実際に美しいポーズを見せました。文字ベースの記事ですので詳しくお伝えはできませんが、こうした実践的なセミナーを定期的に企画していますので、興味ある方はアンズフォトまでお気軽にお問い合わせください。
アンズフォトのスクールも好評
アンズフォトでは、定期的にこのようなセミナーを実施しています。たとえば、昨年開催したフォトグラファーのための「お金」に関するセミナー「マネー講座 大人の義務教育」では、フリーランスとして長く活動するために考えるべきファイナンシャル・シチュエーションについて、専門家の先生にレクチャーしていただきました。
そしてスクール事業のメイン、後身育成のための「成功するフォトグラファー育成講座」を展開し、現在までに2期を数えます(3期は未定)。スクールでは、撮影技術はもちろん、これからフリーランスになる、またフリーランスになりたての方にもためになるフォトグラファーとしての将来像・目標の持ち方、そのためになすべきことに関するレクチャー、そして社会人としてのマナーなど、一般的なフォトグラファー養成講座とは一線を画す幅広い座学&演習を行っています。
スクール最大の特徴は、アンズフォトで受注している仕事のアシスタントとして現場に出ることができること(ギャランティーも支払われます)。経験・成長次第で、スクール卒業後も仕事を任せることがあります。実際に何人もの卒業生がアンズフォトのパートナーとして仕事をしています。
スクール卒業生インタビュー記事
●1期生:小瀬川理恵さん
●1期生:田中みなみさん
●2期生:伊良原茜さん
●2期生:村松美緒さん