二胡弦レビュー「Fang Fang」ゴールド
東京で二胡・中国音楽の合奏をレッスンしている「創樂社」主宰の安西創(あんざいはじめ)です。
二胡の弦は様々なメーカーが色んな価格帯の製品を出していますね。何を基準に買えば良いのか大いに迷うところ。そんな訳で、私なりに使ってみた弦の感想をレビューしてみます。どのメーカーも素晴らしい製品を努力して作っている事に変わりありませんし、使っている楽器や駒などのセッティングや弓、弾き癖などによって違ってきますから、あくまで個人の感想ということを踏まえて参考にしてもらえたら幸いです。
なお、値段は日本国内で入手するのか、はたまた海外から通販で輸入するのかなどによってバラつきがありますので、記事中に値段に関する記述があっても最安値を保証するものではありませんのでご了承ください。
さて、今回は……
【Fang Fang(芳芳)】のゴールドパッケージです。
【弦の太さ】
外弦A-0.26mm
内弦D-0.44mm
【参考価格】税込3520円
参考サイト↓
【個人的コメント】張り替えて直ぐは音が硬くて特に内弦のレスポンスが若干遅く感じたものの、弾き続けて2週間ほど経った頃にはそのポテンシャルが徐々に現れて骨太で豊かな音がするようになりました。音量もたっぷりです。同じメーカーの赤いパッケージと同じゲージにも拘らず、鳴り出すまで時間がかかったように思うので本番などに使う予定がある人は早めに張り替えてベストなコンディションまでプランを立てる事をお勧めします。弦に負けない毛の量が多くて少し重めの弓を合わせると良いかも知れません(実際私はそうしています)
高音域を多用して軽やかなテクニックを聴かせる曲よりは、中低音域をたっぷり聴かせるようなしっとりした曲調に似合う音色の傾向かも知れません。もちろん高音域も鳴りますが、どちらかと言えば「なんとなく弾く」というよりは、プレイヤーがどう弾きたいのか弓を通じてキチンと楽器に意志を伝える事でしっかりと鳴らせる弦のように思います。その点では中級以上の方にお勧めかも知れませんが、逆にこの弦を鳴らせるよう基礎練習にもこの弦を使って、良い音色を意欲的に作る作業をしてみたい初心者さんにもアリだと思います。