二胡弦レビュー「敦煌牌 牡丹型二胡琴弦」
東京で二胡や高胡(広東高胡)・中国音楽の合奏をレッスンしている「創樂社」主宰の安西創(あんざいはじめ)です。
二胡の弦は様々なメーカーが色んな価格帯の製品を出していますね。何を基準に買えば良いのか大いに迷うところ。そんな訳で、私なりに使ってみた弦の感想をレビューしてみます。どのメーカーも素晴らしい製品を努力して作っている事に変わりありませんし、使っている楽器や駒などのセッティングや弓、弾き癖などによって違ってきますから、あくまで個人の感想ということを踏まえて参考にしてもらえたら幸いです。
なお、値段は日本国内で入手するのか、はたまた海外から通販で輸入するのかなどによってバラつきがありますので、記事中に値段に関する記述があっても最安値を保証するものではありませんのでご了承ください。
さて、今回は……
中国を代表する総合楽器メーカー「上海民族楽器一廠」の名ブランド「敦煌牌」の【牡丹型二胡琴弦】です。
【弦の太さ】
外弦A-0.25mm
内弦D-0.43mm
【参考価格】税込880円
参考サイト↓
【個人的コメント】他社に比べて高いコストパフォーマンスを実現しつつ、オールラウンドに使える総合点が高い弦。大手メーカーによる安心安定のクオリティも加点ポイントで良いと思います。敦煌牌の楽器を買うと大抵これが予備として付属して来ますからパッケージを目にした事がある方もいるかと思います。ともかくそのくらいポピュラーな存在です。
張り替えた後の馴染みも早く、良い意味で無難な弦なのですが、若干細めなので圧を加えてガシガシ弾くと、弓に負けてしまう場合があるかもしれません。弓圧が強いタイプのプレイヤーさんは少し太めのゲージを選ぶ方が良いかもしれません。
ただこの弦は、個人的に高音域の音痩せ(ちょっとか細くなってしまう事。二胡そのものが、構造上そもそもこの傾向がある楽器ではあります)が気になって、音色は綺麗なのでもう少し音量が出ればなあ…と思わないでもありませんが、楽器やセッティング、奏法でカバーできる部分でもあると思います。下把(ハイポジション)をあまり使わない初心者や、あまり高音域を弾かないジャンル(江南絲竹など)、または太い弦はちょっと難しいと感じるお子さんや女性の方の選択肢の一つとしては全く問題ないどころか、むしろ良いと思います。ともかく値段が高過ぎず、バランス良い弦で相手を選ばないので初心者から中級者まで好みが色々と出て来るまでは、これを選べば間違いないチョイスだと思います。